
バキュームカー運転手に興味が出てくると、給料についても気になる方は多いでしょう。
また、実際に働くとして、どのような仕事内容なのかも気になるところです。
この記事では、バキュームカー運転手の仕事内容や平均的な給料・年収についてご紹介します。
さらに、バキュームカー運転手になるメリット・デメリット、必要な資格も併せてご紹介しますので、ぜひ検討する際の参考にしてください。
バキュームカー運転手の仕事内容

バキュームカー運転手の主な仕事は下記のとおりです。
- バキュームカーの運転
- くみ取り式トイレの吸引・産業廃棄物の回収
- 定期的な浄化水槽の清掃と保守点検
それぞれの仕事内容を詳しく見ていきましょう。
バキュームカーの運転
バキュームカー運転手は、浄化槽や汚水などを回収する現場までの運転を担当します。
現場までは狭い道幅を通ったり、駐車ができない現場もあるため、運転には十分な注意が必要です。
バキュームカーの車両サイズはさまざまですが、主に中型免許が必須の2t・3tサイズが使われています。
ただし、現場によっては大型車を運転する場面もあるため、必須免許は確認しておきましょう。
2トントラックの運転免許について詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になりますのでぜひご覧ください。
くみ取り式トイレの吸引・産業廃棄物の回収
バキュームカー運転手は、工場や建設現場、家庭などから排出される汚泥や廃油、動物の糞尿などの産業廃棄物を吸引して回収し、処理をするのが主な仕事です。
また、バキュームカー運転手は、上記の仕事以外にも災害時や化学工場での作業を担うことがあります。
具体的には下記のとおりです。
- 災害時の緊急対応:洪水や地震後の汚水を迅速に処理し、感染症の拡大を防止
- 化学工場:液体廃棄物や工事現場の汚水を効率的に回収し、専門の処理施設へ運搬
バキュームカーは、汚水や液体廃棄物などを効率的に回収できるため、災害時や緊急時などにも依頼されることがあります。
定期的な浄化水槽の清掃と保守点検
バキュームカーの運転手は、定期的に浄化槽やくみ取り式トイレのある企業、家庭に訪問し、保守点検・清掃を行うのも仕事です。
保守点検の作業内容は、浄化水槽の状態を確認することであり、具体的には、異臭、異音、害虫などのチェック、水の浄化が正常に行われているかの確認をします。
また、配管や浄化槽に空気を送り込んで汚水を浄化させるブロアー、マンホールなどの掃除も併せて行うこともあります。
ただし、浄化槽の保守点検は、国家資格の「浄化槽管理士」を取得していることが条件のため、資格のない人は行えません。
バキュームカー清掃の給料・年収の目安

バキュームカー運転手の給料(月収)や平均年収を、下記の表に年代別でまとめましたので、参考にしてください。
20代 | 月収:20〜25万円ボーナス込み年収:380〜430万円 |
30代 | 月収:23〜30万円ボーナス込み年収:400〜500万円 |
40代 | 月収:25〜45万円ボーナス込み年収:400〜500万円 |
年齢が上がるにつれて、給与も上がっていくのが分かります。
30代と40代のボーナス込みの年収は、ともに400~500万円となっており、地域や企業規模によって異なります。
バキュームカー運転手になるメリット

この章では、バキュームカー運転手になるメリットをご紹介します。
- 安定して収入が得られる
- 肉体的な負担は少なめ
- 早朝・深夜勤務や残業がほとんどない
- 学歴不問で就職しやすい
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
安定して収入が得られる
バキュームカーの運転手は、人が生活するうえで必要な仕事を担っているため、倒産や失業といったリスクがありません。
そのため、安定して収入を得られるのが大きなメリットといえるでしょう。
給与の額は、地域や就職した企業の規模によっても異なりますが、経験を積むほど年収はアップしていく傾向にあります。
肉体的な負担は少なめ
バキュームカーの運転手といえば、肉体労働のイメージを持つ方もいますが、重い荷物を持ち上げたり、運んだりする作業はあまり多くないといえます。
例えば、体力が求められるのは、バキュームカーのホースとマンホールの蓋を動かすときぐらいです。
そのため、運送・物流業トラックの運転手と比べると、身体に負担をかける作業は少ないでしょう。
早朝・深夜勤務や残業がほとんどない
バキュームカーの運転手は、基本的に日中勤務となっているため、早朝・深夜、残業はほとんどありません。
勤務時間は6~8時間ほどであり、処理施設の営業時間内での作業を行います。
ただし、処理施設の営業時間に合わせたスケジュール管理が必要です。
決められた勤務時間内で作業を行うため、長時間労働にはなりにくく、休息時間やプライベートの時間は確保しやすいメリットがあります。
学歴不問で就職しやすい
バキュームカーの運転手になるためには、バキュームカーを運転するために必要な免許の取得が求められますが、それがあれば学歴を問わないとする求人も多くあります。
バキュームカーの運転手に必要になるのは、中型や大型の自動車免許と、バキュームカーの操作や浄化槽管理の専門スキルです。
しかし、専門スキルがない初心者でも歓迎している企業もあるので、経験を積んで専門性を高めていくと、今後、評価につながっていくでしょう。
バキュームカー運転手になるデメリット

バキュームカー運転手になるデメリットは下記のとおりです。
- 作業中の臭いがきついと感じる場面がある
- 天候や気温に関係なく作業しなければならない
それぞれのデメリットを詳しく見ていきましょう。
作業中の臭いがきついと感じる場面がある
バキュームカーの車両内は、消臭装置が備わっているので、車両自体が臭うことはありません。
ただし、汚水や糞尿を汲み取る作業中だけは、どうしても臭いに耐えなければならない場面があります。
特に、気温が上がる夏場は、臭いが強くなる場面があるので、きついと感じる人もいるでしょう。
しかし、現在ではくみ取り式トイレも減少傾向にあるため、臭いに耐えなければならない場面も少なくなってきています。
天候や気温に関係なく作業しなければならない
バキュームカーの作業は、基本的に屋外での作業が多い傾向があります。
夏や冬など、気温の変化が激しい場面でも、過酷な環境で作業をしなければならないこともあるでしょう。
暑さや寒さが苦手な方は、気温変化への対策や健康管理に注意が必要です。
バキュームカーの運転手になるために必要な免許・資格

この章では、バキュームカーの仕事で必要となる資格と、持っていると優遇やスキルアップにつながる資格をご紹介します。
必須免許
バキュームカーを運転するためには、車両の大きさに合わせた運転免許の取得が必要です。
求人では、中型以上の免許が求められる企業が多いため、最低でも中型免許の取得をしておきましょう。
ただし、求人によっては大型免許が必要になる場合もあるので、募集内容はしっかりと確認しておくことをおすすめします。
あると優遇される資格
バキュームカー運転手において、あると優遇されやすい資格を下記でご紹介します。
【浄化槽衛生管理士】
「浄化槽衛生管理士」の資格を取得すると、浄化槽管理の専門家として活躍できます。求人情報によっては条件の1つになっていることもあり、浄化槽設備会社やバキュームカーなどを扱っている企業への就職に役立つ資格です。
【酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者】
「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者」は、トンネル工事や酸素濃度の低くなる可能性がある場所で必要になる資格です。
作業員の酸素欠乏を阻止するための作業方法の決定や、換気装置の設置などを管理します。
バキュームカーの給料や仕事に関する気になる質問

この章では、バキュームカー運転手の給料や、仕事に関する気になる質問を2つ厳選してご紹介します。
- バキュームカーの給料は安い?
- 汲み取り屋が底辺だと言われているのはなぜですか?
バキュームカー運転手に興味がある方にとって、参考になる内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
バキュームカーの給料は安い?
バキュームカーの運転手の平均給料と、民間の平均給料を比べた表は下記のとおりです。
バキュームカー運転手 | 20代:380〜430万円30代:400〜500万円40代:400〜500万円 |
民間(男女計) | 20~24歳:267万円25~29歳:394万円30~34歳:431万円35~39歳:466万円40~44歳:501万円45~49歳:521万円 |
上記の表によると、20代では民間より高めになっており、30代では同じ水準、40代になると民間より少なくなる可能性があることが分かります。
しかし、資格やスキルアップすることで、40代以降でも収入アップは見込めます。
汲み取り屋が底辺だと言われているのはなぜですか?
バキュームカーの仕事は、3K(きつい・汚い・危険)と言われることが多く、世間ではやりたくないと感じる人がいるのも事実です。
しかし、バキュームカーの仕事は、誰もが衛生的に生活できるように作業をするエッセンシャルワーカーであり、底辺ではありません。
マイナスなイメージが強い「臭い」に関しては、くみ取り式トイレの減少、消臭装置の設置などで改善されており、作業内容も運転業務がメインのため、身体的な負担は少ない仕事といえます。
バキュームカーの運転手の給料は地域や入社した企業規模によって異なる!

バキュームカー運転手の給料は、地域や入社した企業規模によって異なりますが、300万円~500万円が平均となっています。
20代では、民間の平均給与と比べて高めですが、30代で同じ水準、40代以降になると、民間の方が高くなっていく傾向です。
しかし、資格やキャリアアップすることによって、給与を上げていくこともできるでしょう。
バキュームカー運転手は「臭い」や「悪天候でも作業が必要」などのデメリットがある反面、「安定した収入が得られる」「肉体労働が少ない」「残業がほとんどない」など、多くのメリットが得られる職種です。
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