全国物流業界の仲間たち、そして自社の社員たちと共に学び、共に実践し、共に成長する社長の真髄に迫る。

  • 2021年11月11日
  • 2023年8月10日
  • ドラ魂

今回、取材させていただいたのは、株式会社マイロジ代表取締役の山田さんです。同社とは別に、研修事業をメインとする株式会社ヤマネットも経営されています。2つの会社でどのような事業を展開しているのか、なぜ起業されたのか、そして今後の社長が描いている未来についてお話をお伺いしてきました。

株式会社マイロジ
代表取締役 山田 泰壮

京都出身。もともと勉強は好きではなかったが、恩師との出会いから読書量が増量。歴史小説を読んだ後は、その人物が歩いた土を踏みに旅に出ることで、学びをより深める。トラック野郎の菅原文太に憧れてドライバーになったという。とにかく働くことが大好き。

仕事の本質とは何かを探し続けた20代でした。

―山田さんが会社を起業されるまでの経緯を教えてください。

高校卒業後、愛知に本社を置く中堅の運送会社に入社しました。21歳のときに営業所長、その後は静岡支店長、常務取締役営業本部長に着任しました。その3年ほど前、29歳を過ぎたころから独立を考えていたのですが、ちょうどその頃、たまたま参加していた講演会で、後に人生の師匠となる方と出会い「仕事ばかりしてないで、もっと勉強しなさい」というお言葉をいただきました。それまで、いくつも営業所の立ち上げに携わり、トラック4台から始まった営業所が6年で車両100台、スタッフは総勢170名まで拡大させたこともありました。ただただ目の前の仕事に追われ、忙殺されていた自分にハッと気づかされた瞬間でしたね。師匠からは「仕事だけでなく、人間として深めなさい」ともおっしゃっていただきました。

―そこから、貴社の代表となるまでの経緯について詳しくお聞きしたいです。

その師匠との出会いにも後押しされ、自宅の六畳一間から会社を起業し、利用運送事業をはじめ、倉庫事業や宅配事業、中古車の販売まで本当に様々なビジネスに果敢にチャレンジしました。現在「物流応援団」として物流業界に特化した研修・セミナーを運営している株式会社ヤマネットがその頃立ち上げた会社です。そこから、もともと業界内の繋がりで知り合いだった有限会社丸英運送の社長に声を掛けていただいたのがきっかけで、ヤマネットでやっていた利用運送事業を譲渡し、代表取締役に就任しました。人との繋がりの大切さを改めて感じたときでしたね。

中小の運送会社には人財育成の時間や社内教育のリソースが整っていない場合が多い。

―もともと経営されていたヤマネットを研修事業に特化させた理由は何でしたか。

先程もお話した通り、当時かなり事業を手広くやっており拠点数も勢いよく増やしていたのですが、拡大というよりも膨張、そして業績は悪化の一途を辿り、一時は会社を畳むことも考えていました。もう一度経営の基本から勉強をしなおして、会社を立て直そうと猛勉強を開始。あらゆる研修やセミナーにも参加しました。そこから私自身の今までの失敗経験を活かして、物流業界に特化した研修事業を始めました。当時、名古屋郊外(豊山町)の公民館から始めた勉強会が今では、名古屋、東京、大阪、福岡と各地で開催でき、現在はオンラインも含め全国の多くの方々に受講して頂けるようになりました

―なるほど。具体的に研修やセミナーではどのようなことをやられているのですか。

社風向上、事故撲滅、業績向上と「3つの成果」を掲げて、経営者、経営幹部、管理者、営業・配車・ドライバー向けなど対象者に合わせた研修やセミナーを開催しています。例えば、管理者や経営者向けの研修では、開催拠点のグループ内で模擬の組織を創ってもらい、架空の会社でデモ経営していただきます。この架空の組織、メンバーで様々な課題に取り組み、現実の会社運営や管理にその経験を活かしていただいています。なかなか、中小の運送会社ですと、中堅以上のポジションを教育するリソースや時間がないため、多くの企業様にご好評いただいています。実際に参加メンバーのほとんどが30代と40代で、その6割以上が中間管理職の方たちです。もちろん、当社のマイロジの従業員にも参加してもらっています。自社社員がこの研修を通してどれだけ成長できたかを実績としてお伝えできるのも参加企業様に対する説得力が高まります。

人材の育成は部下の成長だけでなく、自身の成長にも繋がります。

―実際に自社ではどのような研修を取り入れられているのでしょうか。

そうですね。ヤマネットの研修プログラムを一番活用しているのがマイロジですからね社内だけでなく社外の方も交えて学べる機会があるのは成長機会として大きいと思いますよ。ドライバーに関しても、ヤマネットが主催する「プロドライバー実践研修」や「危険予知トレーニング」を通して学ぶ機会が定期的にあります。経営層も中間管理職も現場も、皆がこの研修を通して成長してくれています。また研修だけでなく、社風向上の一環として、従業員の誕生日にはバースデーカードを送ったり、全員の給与明細に手紙を書いて入れたり、リーダー育成カリキュラム「マイラップ」のメンバーには全員の報告書へ赤ペン先生のようにコメントを書き込んだりと、社長自らがコミュニケーションをとる機会は意識的に創っています。当社は敢えて社長室も設けず、私のデスクも置いていないので、いろんなところに私が現れますからね。従業員とかなり距離の近い社長だと自負していますよ(笑)。私の持論にはなりますが、社風の向上が結果的に、事故撲滅や業績の向上につながると確信しています。だからこそ、従業員とのコミュニケーションは何よりも大事です。自社で得た成果をまた研修プログラムに落とし込む、こうしてヤマネットの研修事業も実践に則した形でどんどん進化していきます

―研修事業に対しての、山田さんのお考えをお聞かせください。

研修事業を通して、成長の鍵は“学びと実践の反復、継続”だと確信しています。特に次世代のリーダーを育てるために大きな課題だと感じています。育ってきた時代背景や環境が違う人たちを教育することはとても大変ではありますし、特に今は厳しい環境や条件の中で働いて鍛えるということが法令的にも難しい時代ですから、故に学ぶことが重要です。人を育てるということは、自分の成長機会でもあります。世の中の血液となる物流を止めることなく継承し、物流業界の更なる活性化、地位向上していくためには、次の世代の人達をいかに育てていくかが私の使命です。

元氣と安心をお届けする物流応援団の誇りを次世代へ。

―最後に今後の展望をお聞かせください。

マイロジでは、店舗までの配送だけでなく、納品サポーター(NSP)として“陳列レディー”を店舗に配置し、ドライバーは納品口までの配送、NSPは店舗内での陳列業務を行なうというサービスを行なっております。ドライバーが納品先での滞留時間を極力短縮し輸送効率を上げながら、荷主顧客のみならず納品先顧客のニーズにも徹底的に応えて参ります。デジタルの時代だからこそアナログに拘ったサービスの展開です。年度内にNSP(陳列レディ)を10名まで増員予定です。マイロジでは共配化、NSP導入によって輸送効率を極限高めドライバーの待遇を上げていきます。そして、ヤマネットでは昨年よりコロナ対応で早々にオンラインスタジオを設け、リモート研修を開始し、来年からはリアル研修再開、リモートとリアルのハイブリッドで展開し、研修を通じて物流業界の活性化、次世代が誇れる会社、業界となるよう、チャレンジし続けて参ります

会社概要

  • 社名     株式会社マイロジ
  • 本社所在地  〒493-0001 愛知県一宮市木曽川町黒田十二ノ通り1番
  • 設立     昭和47年7月24日
  • 代表者名   代表取締役 山田 泰壮
  • WEBサイト  http://mylogi.co.jp/
  • 事業内容   一般貨物自動車運送事業