強面専務の裏の顔。ポロリとこぼれた一言に一同驚愕。『学が無くても稼げる方法』とは。

  • 2022年1月31日
  • 2022年5月17日
  • ドラ魂

今回取材させていただいたのは、有限会社イエスネットワーク専務取締役の水間さん。表に停まる黒塗りガラスの白いセダンと、歌舞伎ラッピングのトラックに緊張しながら事務所に入り、迎えてくれた強面専務に背筋が凍る。取材を始め2時間後には冗談を言い合えるほどの仲に。襟元ではなく、心を掴む水間さんのお人柄、その熱い思いを脚色なくご紹介します。

有限会社イエスネットワーク
専務取締役 水間武志
運転が好きで車が好き。遊びに全力で、仕事にマジメ。ちなみに仕事がツラいと思ったことは一度もない。自称「褒められて伸びるタイプ」。そして「褒められると舞い上がってしまうタイプ」。

まずは仮囲いという仕事に、興味を持つことから始めました。

私も作業員も、やりたくてやっているわけではないし、やりがいとか楽しさとか、ぶっちゃけないんですよ。私はもともと17歳で高校を中退して、ドライバー補助を2年、その後トラックドライバーデビューしました。当時は労務管理もなにもなく、残業で稼ぐ時代でした。帰れないのは当たり前。ちょうど当時の私にはその働き方もドライバーという仕事も性に合っていて、それなりに楽しく働いていました。ところがある日、会社の方針で異動になり、出張宴会の料理をホテルから運ぶ仕事に変わりました。どうしても長距離ドライバーをやりたかった私は、長距離ドライバー専門の会社に転職。楽しく働いていましたが、嫁さんと子供の時間を優先してわずか2年で退職。当時面倒を見てくれていた先輩の紹介で仮囲いの会社に転職。そこからこの仮囲いの仕事が始まりました。

初めての仮囲い。嫌な思いもしたけど、大変だと思ったことは一度もない。

私たちはベクセス株式会社の案件を任されており、扱うものは工事現場やイベント会場などで使用する仮設トイレや工事現場の仮囲い。臭いも汚れも最初は気になり、道ですれ違った小学生に指をさされて馬鹿にされ、大激怒して小学校まで走っておいかけたこともありました(笑)最初は1人での運搬なんてできなくて。でもコツを掴めばなんてことなかった。すぐに片手で扱えるようになりました。仕事の仕方は先輩が面倒をみてくれて、仕事はしっかり回ってくる環境。当時同じ拠点で働いていたのは、社長と私と常務と現場作業員が12名。実直な働きを評価され、独立してからも、引き続きたくさんの仕事をベクセスさんからは任せていただけました。今年で設立22年目。当時私と社長は30歳。社長とは長い年月を一緒に過ごしてきたわけですが、一度もぶつかったことはないですね。なんせ社長は「NO」と言わない人間で、「水間がやりたいようにやってみろ」と言ってくれる、社長であり相方のような存在。この人はなるべくして社長になったんだと思える、そんな人です。

1円でも多く従業員に持って帰らせる。それが当社のモットーです。

会社は必要最低限の資金でやりくりできればいいと思っています。売上は現場の従業員に回すべきだと。経営を考える前に、私は従業員である仲間達にイチバン近い存在でありたい。そのために試行錯誤して、自由にやらせてもらっています。これだけ伸び伸び働けるのは、自由にやりすぎる前に社長と常務が一緒になって止めてくれるし、相談して決められるからなんですが。私はあれこれ飛び回って仕事を取ってくる。そして作業員が現場を回してくれる。これが会社としての理想像。だからこそ作業員の仲間達には、思う存分稼いでほしい。理想の作業員像は、とにかく稼ぎたい人が稼げるということ。「楽しくないけど稼げるから。」働く理由って、そんな感じでいいんじゃないの?そう思ってもらえるように、会社の経営を考えています。

―冒頭に「やりがいも楽しさもない」とおっしゃっていましたが、水間さんの仕事へのモチベーションは、なんですか?

そうですね、たしかに気力も体力もいる仕事で、楽しい仕事ではないと思います。ただ、中には「今日は頑張ったな」と思える時があって、その時はやりがいというか、達成感を感じますね。例えば図面で見た形と実際の現場とは大きく異なる時がある。図面では何もない平らな場所でも、実際は電柱があったり、隣の家が異様に近かったり、急斜面だったり。そんな時は知恵と経験を駆使してクリエイティブな脳にするんです。どうしたらうまく組めるかなって。パズルのような、謎解きのような。パッと閃いて思い通りにキレイに仮囲いが作れた時には「やってやったぞ。これは俺じゃないとできなかった!」と思い切り自負します(笑)

―どんな人にこの仕事が向いていると思いますか?

私みたいに「やってやるぞ精神」がある方や、業務委託で頑張り次第稼ぎたい方、なおかつ安定的な収入を得たい方には、当社はピッタリだと思います。お仕事を任せていただいているベクセスさんは、トップハウスメーカーの仕事がメインで、戸建て住宅のハウスメーカーなら横に出る者はいない、トップシェアの会社です。業界的には、新築戸建て住宅の需要が減ってきていますが、ベクセスさんは多数の拠点・広いエリアで、仮設のリースをしている会社です。時代に合わせて成長を止めないベクセスさんがつぶれないかぎり、当社も絶対つぶれません。私がそうだったように、学もなければ経歴に不安がある方。資格も経験もない方でも大丈夫。器具は会社で用意するし、メンバーは人懐っこいやつらばかりです。「仮囲いってなに?」そんなレベルでいいんです。私もそうでした。 ただ、現場の仕事は長くは続かない。いずれ年を取って、現場を離れなければならなくなる。できないから、さようなら。それでは会社としてあまりに無責任。私は当社に関わってくれた人と、いつまでも一緒に仕事が出来る会社にしたい。「ここで働けて良かった。」社員でもない、業務委託の現場作業員が、そう言ってくれたら最高です。

水間さんにとって、最高だった瞬間はいつですか?

うーーーん。人生の最高かぁ。これから来るんじゃないの?

―今日イチバンの衝撃でした。水間さん、かっこよすぎます(笑)

今までいろいろあったけど、仕事が大変だとは思ったことが無くて、現場から管理する立場になった時はそりゃ大変だと思ったけど。会社としてお客様の立場でものを言わなければならない。仲間には「お前、変わっちまったな」って言われてもしょうがないんだけど、やっぱりツラい。自分も現場をよく知っている立場として。それでもやっぱり「水間がいないとダメだな!」「水間にしか頼めないんだ」って言ってもらえるのが嬉しくて。私は10代の頃から自分に自信が無かったんです。学も強みもなかったから。そんな人間は、一瞬にして世の中に必要とされなくなると思っていました。だから「人に必要とされること」を心がけていました。人生の最高には期待しながら、でもやっぱり日々の生活が平穏に送れることはありがたいことで、家族や仲間と笑って過ごせるのがイチバンなのかもしれませんね。

何がいいって、やっぱり人。仕事を続けたいより、この会社にずっといたいです。

ドライバー兼作業員 入社7年目 31歳 藤田さん
好きな動物は馬。好きなことは競馬。休みの日はもっぱら会社の同僚と競馬に投資。好きな馬は段ボール色の馬。将来の夢は馬主になること。現在猫5匹と実家暮らし。「馬好きな人、集まれ!!!」

―入社のきっかけを教えて下さい。

母親の繋がりで、子供の頃からの知り合いである、水間さんの紹介で入社しました。前職の会社が倒産したので、水間さんには拾ってもらった感じです。水間さんは第二の父です。もともと運転は好きだったし、そういった面では毎日基本運転しているので楽しく働けていますよ。

―実際に働いてみてどうですか?

もちろん最初は大変でしたよ。特に入社したタイミングが悪く、絶賛繁忙期だったので、夜中まで働いていた時もあったし。まずは道具や資材の名前を覚えるところからでしたが、それでも約2週間くらいで独り立ちできましたかね。もちろん今は慣れたので繁忙期もへっちゃらですよ。今日はもう仕事終わったし、まだ夕暮れ前ですがもう帰ります。

―7年も勤続できる理由ってなんですか?

一番は人ですね。この会社は本当に人に恵まれていると思います。遅くなる時は声をかけて手伝いに来てくれるし、休みの日は同僚と競馬に行って発散できるし。もちろん金も飛んでいきますけど(笑)

―今後の目標は何かありますか?

なんでもできる人になりたいです。御用聞きのような、頼られる人。もちろん教育もしていますが、自分にしかできないことも増えて。例えば先日は地鎮祭をしました。ダンプドライバーが砂を運んできてくれて、それを現場一面に均等に慣らすんです。長いときは1日中かかって準備して、テントを張ったり、行事の備品をそろえたり。とにかく全部を任されました。現場の安全と完成した建物の今後を祈願する大事な役割です。そんな機会に携われたのは、すごく自信になりました。仕事での目標はそこですが、個人的には馬主を目指しています。そのためにも頑張って稼いで、いつか自慢の持ち馬を大きな会場で走らせたいですね!

会社概要

  • 社名     有限会社イエスネットワーク
  • 本社所在地  〒252-0239 神奈川県相模原市中央区中央5-8-6
  • 設立     平成12年
  • 代表者名   代表取締役社長 浦中智己
  • 事業内容   工事現場用仮設品の工事業