株式会社アガガスネットワークサービスの代表取締役を務める澤田さんは、「ドライバーファースト」を掲げドライバーが無理なく働ける環境の実践のため、様々な改革に取り組んでいます。20代のドライバー未経験者までもが“この会社で働きたい”と集まってくる秘密をお伺いしました。
株式会社アガガスネットワークサービス
代表取締役 澤田 幸徳／さわだ ゆきのり
解体業を手掛ける会社に就職し、そこで初めてトラックに乗った際に「ドライバーの魅力」を知る。その後、本気でドライバーになることを志し、株式会社アガガスネットワークに転職。入社後数年で所長へと抜擢され、4年役員を経験した後、代表取締役に就任した。
自分がドライバーだったからこそ「こんな働き方はしたくないだろうな」って思ったんです。
―代表になって、澤田さんが新しく取り組んだことについて教えてください。
ドライバー出身だからこそ「ドライバー目線に立った改革」を進めていきました。最初に取り組んだのは、「仕事以外の時間もちゃんと持てる環境づくり」です。その理由は、私自身がドライバーをしていた時に「長時間の運行で家族に会えない」「稼ぐためには、稼働時間を伸ばすしかない」そんな働き方に、ずっと疑問を持っていたからです。だって誰でも、そんなキツイ働き方はしたくないじゃないですか（笑）。
無理がある運行は、思い切ってお断りする。そのおかげで、当社に転職してくる20代の若者たちが増えました。
―具体的には、どうやって「仕事以外の時間」を持てるようにしていったのですか？
ドライバーにとって無理がある運行を見直すところから始めました。以前は、午前3時に出発しなければならない運行スケジュールの仕事がありましたが、現在は、1番早い時間でも朝5時からのスタートになっています。
同時に残業時間の削減に取り組みました。就任当時は、残業が月30～40時間ありましたが、現在は繁忙期でも20時間程度に収まるようになっています。約半分まで残業時間を削減できたので、成功と言っていいと思っています。
―残業時間を約半分に…凄いですね。一体どうやって実現できたのですか？
それは、ひとえにお客様と交渉を続けた結果ですね。例えば、「5時までに持ってきて」と言われた時には、「何とか午前中までにして貰えませんか」と粘り強く交渉しました。そして、何度お願いしても、こちらの要望を聞いてもらえない時は、思い切って仕事自体を断るようになりました。
―ドライバーのために、仕事を断ったということですか？
そうです。ドライバーに過剰な負担が出てしまう運行は、思い切って断っていきました。難しい要望などが上がった際も、ドライバーに”無理を頼み込む”のではなく、代表である私が先頭に立って責任を持って交渉し続けてきました。
”ドライバーがいないと会社が回らない”。だから、私はドライバーを守ります。
―会社にとって大切なのは、現場で活躍するドライバーということでしょうか。
常に‟ドライバーファースト“だと、私はそう思っていますね。だから、頑張っているドライバーが損をしないシステムづくりにも取り組んでいます。以前はタイムカードによる勤怠管理をしていましたが、今では1分単位で残業代を支給できるようにデジタコで勤怠を管理しています。
―1分単位で残業代を支給！運送業では珍しいですね！
こうした取り組みのおかげか、「長距離のドライバーだったけれど、自分の時間が持てなかった」「残業ばかりで、寝る時間も取れなくて…」なんて理由で、当社に転職してくる20代の若者たちも増えてきているんです！今までは、若手の転職組なんてほとんどいなかったのに（笑）
”相手のため”を考えて行動することが、”自分のため”になっていく
―澤田さんが、会社で活躍するドライバーに求めることはありますか？
相手の立場に立って”考えて”行動して欲しいですね。もしも自分がお客様だったら、「どんなドライバーだと嬉しいか？」「どんなサービスを受けたいか？」「どんな提案をされると助かるか？」を常に考えながら、「痒い所に手が届くサービスをしてほしい」とドライバーには伝えています。
そして何より報連相の徹底です。常にしっかりと連絡を取りながらお客様の荷物を運んでいます。そんな”当たり前のこと”にしっかりと取り組むことで、「あそこの運転手は大丈夫」「あそこの会社は連絡がしっかりしているから任せたい」なんて空気が生まれるんです。
―会社・ドライバーへの信頼を勝ち取ることが大切なんですね
お客様から指名して頂けるからこそ、先ほどの話のように私たちから「運行をお断り」することがあっても、不思議とお客様との縁が切れたことはありません。報連相を徹底し、お客様のことを考えたサービスをドライバーが自分で考え提供していることが、付加価値として評価されているからです。
毎日、報連相、報連相って、ドライバーたちに口酸っぱく言っているので、うるさいと思われているかも知れませんが(笑)。それが会社全体の評価にも繋がっていると感じています。
仕事以外の時間もちゃんと持てる業界にしたい。
―最後に、今後の会社の展望を教えてください
今後は、事業を拡大していきたいと考えています。それは、利益のためもありますが「自分達のような会社」を増やしたいという想いがあるからです。「仕事以外の時間もちゃんと持てる環境」の職場が増えることで、この働き方・運行が、運送業界の当たり前になっていく。そうすれば、運送業界全体が働きやすくなるはずです。そして最終的には、ドライバーという仕事自体が若い人たちから「働きたい」と選んでもらえる仕事になればいいなと思っています。
実際に最近入った未経験の子に「ウチはどう？」って聞いたら、「めちゃくちゃ働きやすいです」って、笑顔で言われたのがすごく嬉しくて。この方向で”もっと頑張っていこう”って思えましたね。
会社概要
- 社名 株式会社アガガスネットワークサービス
- 住所 〒455-0046 愛知県名古屋市港区大手町6丁目23番地
- 設立 1973年2月5日
- 代表者名 代表取締役 澤田 幸徳
- WEBサイト https://dainihonaga.jp/network/
- 事業内容 一般貨物自動車運送事業
