
今回取材させていただいたのは、株式会社タカラ倉庫運輸サービスの運輸部で次世代の育成を担当されている平井さんです。実は以前、ドラ魂に登場いただいたことのある平井さん。初回は平井さんのドライバー時代のお話や会社の「今」について語っていただきましたが、今回フォーカスするのは会社の「未来」。これまでの仲間、そしてこれからジョインする仲間のために「タカラだからできること」を深掘りしていきます。
運輸部次長 平井 修/ひらい おさむ
バイクと車が好き。運転できる仕事がしたいとドライバーの道へ。22歳で引越しの仕事からスタートし、「もっと大きなトラックに乗りたい!」という憧れから、24歳のときに友人の紹介でタカラに転職。現在は運輸部の次長として、次世代の育成を担う。
時代は「輸送力」から「輸送品質」重視へ。

「タカラに何ができるか」を考えたときに、時代背景や業界全体の流れを知ることがまずは大事です。私たちに大きく影響してくると考えられるものとして、これからは子請けや孫請け(二次請け)が淘汰される時代になっていくということがあります。
その流れが本格的に来てからでは遅いので、タカラとしては自社配送でしっかりと利益を出すこと、車両や環境(現場)にしっかり投資をしていくことで経営的に安定的な会社の基盤をつくる必要性があると考えています。仮に、下請けの働き手たちが仕事を失うようなことがあっても、救えるくらいの土台と環境が整備された会社でありたいと思っています。
また、運送業界は「輸送力」から「輸送品質」を重視する転換期にあります。要するに、質が求められる時代になっていくということです。めまぐるしく変化しているこの業界で勝ち残っていくためには現場力がすべてです。
これからの時代に必要なのは、現場力を上げること。そのために「タカラだからできること」は何か。

タカラでは社員ファーストという絶対的な軸を持ち、「もっとよくできる」「常に改革できる」という意識のもとで以前からさまざまな取り組みを進めてきました。今日は、同席している私の上司と一緒に、未来に向けてタカラが取り組んでいることについて詳しくお伝えしたいと思います。
―まずは大きな計画として、2029年までに200台への増車を目指していると伺っています。
(平井さん)はい。あと4年で200台を目指しています。小型・中型・大型までまんべんなく増やしているところで、現在は150台、2026年8月には170台になる見込みです。これまでは基本的に10年サイクルで古い車両を手放して新しい車両を導入していましたが、年数が経っていても使用感に問題なければ他の拠点に予備として回したり、新人さんが入ってきてすぐに使えるようにしたり。やり方を変えたことで、期限内に目標台数を目指せそうです。
―増車に力を入れているのはなぜですか?
(上司Fさん)私たちが増車にこだわるのは、環境(現場)に投資をすることが長期的な会社の安定基盤につながるからです。車両に投資をせず売上や目先の利益だけを追うと、最終的には上手くいきません。
新しく導入する車両は、ドライバーが「乗りたい」と思えるかっこいいトラックを選ぶようにしています。例えば、最近導入した小型トラックはフロント部分をメッキにするオプションをつけました。普通免許で運転できるサイズなので、未経験の方も乗りやすいトラックです。そのほかに自動運転機能やAT対応、デザイン性のあるホイール、最新の内装やオーディオがついている大型トラックもあります。オプションをつける分費用はかかりますが、ドライバーにできることはしたいという想いです。
―増車をすることによる現場の反響はいかがでしょうか。
(平井さん)基本的に一人一台専用車を割り当てているので、「自分もかっこいいトラックに乗れるかも!」というワクワクにつながっているようです。勤続年数の長い人を優先して新しいトラックを割り当てる会社は少なくないですが、タカラでは「きれいに乗れる人であれば誰に担当してもらってもいい」という最小限の指示のみ。配車担当に裁量を持たせているので、ドライバーにとっては「次は自分があのトラックに!」というモチベーションにもつながっています。
待遇や働く環境にもしっかり投資。スピーディーに対応していく。
―ドライバーの給与や待遇についてはどうお考えですか?
(上司Fさん)一定以上の役職に付いてようやく潤沢な待遇を得られる大手に対して、タカラでは一定以上の役職や役割がなくても現場にしっかり還元してあげられることが強みです。
また、大手と中小との大きな違いは、判断と決定のスピード感です。大手は売上至上主義の会社が多く、大きな投資へのスピーディーな判断が難しいのに対し、タカラのような売上規模の会社であればスピーディーな判断と施策を実行できます。例えば「給与を上げる」という判断をしなくてはいけない場合、100名の会社と2000名の会社では重さが全く違うのはイメージしやすいかと思います。
(平井さん)もちろん給与も大事ですが、高ければいいというわけではありません。かっこいいトラックにこだわるということもそうですが、環境面もしっかり整えていくことで結果的に現場の雰囲気やモチベーションアップ、そして効率アップにもつながっていくと思っています。環境面については前回お伝えしたような部分ですね。
「人の入れ替えはあって当然」という前提が、プラスの結果に。

―ここからは「人」にフォーカスしてお話を伺いたいと思います。
(平井さん)ちょっと厳しく聞こえるかもしれませんが、会社の雰囲気を悪くする人は会社に残していません。愚痴や不平不満ばかりを口にする人、自分が変わる努力をせず環境が変わることばかり望む人など、会社にも社員にも良い影響を与えないのであれば、いくらベテランであっても会社を離れてもらうようにしました。
社歴の長い人を中心に固まり、村のようなコミュニティが生まれてしまうのは悪影響でしかありません。「経験年数や社歴が長いというだけで会社にいられる」とは思わないでほしいです。冷たく聞こえたらすみません。ただ、良い影響を与える仲間・組織であるために大事なことだと思います。
(上司Fさん)ちょっと補足させてもらうと、運送業であればなおさら、人材は入れ替えがあって当然だと思っています。従業員の出入りが全くないことが果たして正しいことでしょうか。水や空気と同じです。定期的に入れ替えをしないとどんどん悪くなってしまう。いいものも腐っていってしまうんです。
「人の入れ替えはあって当然」という前提で施策をするようになってから、「会社に馴染めないので(人が嫌なので)辞めたいです」と若手から相談されることが格段に減りました。運送業界の離職理由ナンバーワンといってもいい人間関係。その課題を減らせたのは会社の未来を考えてもかなり大きなことだと思います。
もちろん、辞めた人の分をまた採用するのは簡単なことではありません。ただ、それくらい潔くやらないと古い組織を変えられないというのもまた事実。実際にドライバーの表情は良くなってきましたし、人が嫌で辞める人がいなくなった。あと2年もすれば人材の入れ替えは落ち着くと考えています。
会社や現場を“自分ごと”にする。
(平井さん)タカラではドライバーや現場の意見はどんな小さなことでも拾うようにしています。会社として意見に蓋をするのではなくオープンにしていくという目的もありますが、自主性や「個」を大事にするタカラならではの環境と言えます。
―月に1回、ドライバーミーティングも開催しているんですよね。
(平井さん)そうですね。最低月1回は全員が参加できるように必ずスケジュールを組んでいます。「こうなったらいいな」「じゃあそのためにどうするか」を現場目線で話し合う時間です。年齢や社歴関係なくミーティングをしますが、若手からの意見も出ます。なかには意見を出すのが苦手な社員もいますが、現場でヒアリングの機会をつくるなど、誰でも話しやすい環境をつくっています。
大事なのは「ルールは自分たちで決める。その代わり、決めたならちゃんと守る」という自主性。わがままと意見の線引きは必要ですが、会社や現場を人任せにしないで“自分ごと”として意見を主張しようという空気があるのはタカラの強みです。
―コミュニケーションは会社の雰囲気にも影響しますよね。
(平井さん)社内で意見が飛び交うのもいいことですし、良好な人間関係にもつながっていると思います。ありきたりな言い方をすればアットホーム。タカラで初めてドライバーデビューする人も多いので、なんというか“ドライバーっぽくない人”が多いのも特徴です。
当社の仕事でツーマン運行(2人1組での運行)がありますが、同年代同士でペアを組むなどできるだけいい関係性で過ごせる組み合わせになるように考慮しています。そもそも社内の人間関係が良好なので、ギスギスしたペアは今まで見たことがないですが…(笑)。2人1組の協力作業という点では、未経験の方も安心してスタートできる仕事だと思います。
業界の転換期に一歩先を行く、タカラの未来

業界全体が転換期に入り、質が求められる時代になるからこそ現場力がすべてです。今のうちに確実な投資が必要ですが、タカラでは未来を見据えた自社車両とドライバーの増員に力を入れています。そしてドライバーの増員には、待遇と環境面の整備も必要です。
顧客との向き合い方だけではなく、ドライバーや現場との向き合い方も問われている今、私たちはそこに本気で向き合っています。皆さんに満足してもらえる自信がある。来てもらえれば分かります。ぜひ会いましょう。
会社概要
- 社名 株式会社タカラ倉庫運輸サービス
- 本社所在地 〒243-0431 神奈川県海老名市上今泉3-7-34
- 設立 1972年8月17日(創業/1969年11月25日)
- 代表者名 代表取締役 渡邊 慎也
- WEBサイト https://www.takara-soko.co.jp/
- 事業内容 一般区域貨物自動車運送事業、産業廃棄物収集運搬業
