
トラックドライバーの仕事に興味を持つと、広い車内がどのような構造になっているのか気になる方も多いのではないでしょうか。
トラックには「寝台」と呼ばれるスペースが設置されていることがあります。
この記事では、トラックの寝台の仕組みやサイズ、寝台で快適に休むためのアイテムを解説します。
これからドライバーを目指す方は、トラックの寝台がどんなものか知っていただき、ドライバーとしての働き方のイメージをしてもらえればと思います!
トラックの寝台とは?

トラックの寝台は、長時間運転するドライバーが睡眠や休息をとるためのスペースです。
一般的に寝台は運転席の後方や二階に設置されており、ドライバーの安全運転を支える重要な休息スペースとして欠かせない設備です。
特に長距離輸送では、寝台の快適さが仕事の効率や体調管理にも大きく影響します。
大型トラックはキャビンの仕様によって寝台が運転席の後ろと二階のどちらに設置されるかわかれますが、中型トラックは運転席の背後に寝台が設置されています。
トラックの寝台は広い?中型と大型トラックの幅とサイズ

トラックの寝台の広さは車両の種類によって異なります。
中型トラックの寝台は、長さ約170〜190cm、横幅約40〜60cm程度です。
平均的な体型のドライバーは十分に横になれる設計ですが、体の大きい方にとってはやや窮屈に感じられます。
大型トラックの寝台は、長さ約210〜220cm、横幅約65cm程度と広めに設計されています。
長身のドライバーでも足を伸ばせる設計のため、体の大きい方は大型トラックの寝台のほうがゆっくり休めるでしょう。
トラックのメーカー別寝台の特徴

トラックの寝台はメーカーごとに特徴が異なります。
いすゞ、HINO、三菱ふそうなど、日本を代表するトラックメーカーは、ドライバーが快適に休息を取れるよう独自の工夫を凝らしています。
それぞれのメーカーごとに寝台のデザインや機能が異なるため、自分にとって最適なモデルを選ぶ際の参考にしてください。
いすゞの寝台の特徴
いすゞの大型モデルGIGAと中型モデルFORWARDの寝台の特徴を確認していきます。
GIGA(大型)
いすゞGIGAの最新モデルでは、寝台が二階にあるマキシルーフが採用されています。
運転スペースと休憩スペースが上下に分離されているので、荷台スペースを最大限活用できます。
特に長距離輸送を行うことが多い大型トラックでは、積載能力を確保しながら休息場所を広げる設計は重要です。
寝台の長さや幅も余裕があり、大柄なドライバーでも体を伸ばして横になれます。
しかし、GIGAの現行モデル(2025年地点)では、冷風を寝台に送るための「アイクール」を追加する必要があります。
この機能がない場合、夏場は寝台が暑くなりやすいため、冷却シートや冷却タオルケットを活用しましょう。
マキシルーフは収納スペースも充実しているので、荷物の多い長距離ドライバーにとって利便性の高い設計です。
FORWORD(中型)
いすゞFORWARDの寝台は、運転席のすぐ背後に配置されており、効率的に休息がとれます。
最大の特徴は、座席のシートを倒すとフルフラットにできる点です。
フルフラット構造を採用しているため、通常の寝台よりも横幅を広く使うことが可能になり、休憩時に窮屈さを感じさせません。
FORWARDの寝台は中型トラックならではのコンパクトな設計ですが、細部までドライバーの使いやすさを考慮しています。
クッション性の高いマットレスが採用されている場合が多く、短時間の休憩でも疲労回復しやすい環境が整っています。
HINOの寝台の特徴
HINOのトラックは、耐久性や燃費性能に優れているだけでなく、ドライバーの快適性を追求した寝台設計が特徴です。
大型モデルのPROFIAと中型モデルのRANGERの寝台の特徴を解説します。
PROFIA(大型)
HINOのPROFIAの寝台は、大型トラックならではの広さと快適性を兼ね備えています。
寝台が運転席の後ろにあるフルキャブタイプと、二階にあるスーパーハイルーフタイプが選択でき、それぞれの用途に応じた選択が可能です。
フルキャブとスーパーハイルーフどちらの寝台にも柔らかい素材を使用したマットレスが採用されており、直接横になっても硬さを感じにくいのが特徴です。
また、寝台内には収納スペースが豊富に設けられ、たくさんの衣類や生活用品を収納できます。
寝台だけではなく、収納スペースなどの細部への配慮が、PROFIAの人気を支える理由の1つです。
RANGER(中型)
HINOのRANGERの寝台は、運転席の後ろに設置されており、コンパクトながらも使い勝手が良い設計です。
PROFIAと比べると横幅が狭く設計されていますが、標準体型の男性が寝るために十分な広さを確保しています。
RANGERの寝台もPROFIA同様、クッション性や通気性に優れた素材を採用しており、短時間の仮眠でも体への負担を軽減する工夫が施されています。
運転席から寝台への移動がスムーズにできるので、ドライバーはお昼休憩や長い待機時間中に気軽に寝台で休息をとりやすいのがメリットです。
RANGERは中型トラックとしての機動性と快適性を両立させたモデルで、HINOの優れた設計力が反映されています。
三菱ふそうの寝台の特徴
三菱ふそうのトラックは、効率的な設計と高い耐久性が特徴で、寝台の快適性も追求しています。
大型モデルのSuper Greatと中型モデルのFighterには、それぞれ異なる特徴を持つ寝台が搭載されており、さまざまな運転シーンで活躍しています。
Super Great(大型)
三菱ふそうのSuper Greatは、大型トラックとしての性能と快適性を高いレベルで両立したモデルです。
現行のSuper Greatの寝台は、スーパーハイルーフが採用されていて、広いスペースを確保しています。
収納スペースも豊富なので、仕事道具や私物を整理しやすく、必要なものをすぐに取り出せる便利な設計が施されています。
天井の高さが十分にあるため、ドライバーが寝台でゆったりと過ごせる点もメリットです。
また、Super Greatでは、一階のエアコンからダクトを通じて直接寝台に送風するシステムが採用されています。
この仕組みによって、季節を問わずに快適な温度を保つことが可能です。
Fighter(中型)
三菱ふそうのFighterの寝台は、中型トラックらしいコンパクトな設計です。
運転席の背後に寝台が設置されており、スムーズにアクセスできるのが特徴です。
Fighterの寝台は、マットレスの交換や追加クッションの利用などでより快適性を高められます。
また、運転席をリクライニングして寝台として活用することも可能で、スペースの制約を工夫して補うよう設計されています。
二階に寝台があるトラックのメリットとデメリット

二階に寝台があるトラックは、荷台スペースを有効活用できる設計が特徴です。
しかし、利便性が高い一方で、独自のデメリットも存在します。
これから大型トラックに乗る方が車種を選びやすいように、二階に寝台があるトラックのメリットとデメリットを解説します。
二階に寝台があるトラックのメリット
二階に寝台があるトラックの最大の魅力は、荷台スペースを最大限に活用できる点です。
運搬可能な荷物の量が増えるため、物流効率が向上します。
また、寝台が運転席から離れているため、休息時にプライベート空間を確保しやすい点も挙げられます。
さらに、高さがある分、収納スペースが充実しているモデルが多く、私物や作業道具を整理しやすい点もメリットです。
二階に寝台があるトラックのデメリット
一方で、二階に寝台があるトラックは天井が近い分、雨音が直接聞こえやすくなる点がデメリットです。
特に雨の日や風の強い日は、雨音や風の音が気になって眠りが浅くなる場合があります。
また、夏は暑さ対策が欠かせません。
二階部分は日差しの熱を直接受けやすいため、一階よりも寝台の温度が上昇しやすい傾向にあります。
運転席の冷風をダクトで送れると暑さを凌げますが、ダクトがない場合は冷却シートや専用の冷房機器が必要です。
さらに、運転席のすぐ後ろが荷台になるため、運転席のリクライニング機能が制限される場合もあり、短時間の休憩時に不便さを感じます。
二階寝台のデメリットを理解した上で、自身の運行スタイルや荷物の量に合ったトラックを選びましょう。
トラックの寝台は快適か?

トラックの寝台は、標準的な装備だけでは必ずしも快適とは言えません。
その理由は、寝台の硬さやスペースの問題、騒音や温度変化などがあります。
トラックの寝台は、耐久性を重視した設計が基本となっており、硬めのマットレスが使用されることが一般的です。
そのため、そのままドライバーが横になると、体が痛くなる場合があります。
さらに、騒音も快適な睡眠を妨げる要因です。
トラックのエンジン音や他の車両からの音が気になる場合があります。
また、トラックは昼夜を問わず稼働することが多いため、車内の明るさや温度調整も重要なポイントです。
これらの工夫により、トラックの寝台でも自宅に近い快適さを実現できます。
寝台のあるトラックに乗りたい方は、物流業界専門の求人サイト「ドラピタ」でトラックドライバーの求人を検索してみましょう。
トラックの寝台を快適にするアイテム

トラックの寝台をより快適にするために、多くのドライバーが以下のようなアイテムを活用しています。
- 折りたたみ式マットレス
- 枕
- 電気毛布
- 遮光・遮音カーテン
- 耳栓
- アイマスク
寝台を快適にするためのアイテムを1つずつ紹介します。
折りたたみ式マットレス
寝台の硬さを緩和するためには、折りたたみ式マットレスを敷くのが効果的です。
トラックの寝台は耐久性が重視されるため、標準のマットレスは硬めに設計されています。
そのままでは体に負担がかかるため、柔らかい素材の折り畳み式マットレスを追加することで、快適に眠れるようになります。
折りたたみ式マットレスは、使用しないときにコンパクトに収納できるため、スペースの限られたトラックの車内でも邪魔になりません。
また、他のトラックに乗り換える際も簡単に持ち運べるため、複数の車両を使用するドライバーにも便利です。
特に通気性の良い素材や洗えるカバー付きのものを選ぶと、マットレスの快適さが長続きします。
枕
トラックの寝台で快適に眠るためには、自分に合った高さの枕が必要です。
特に、長距離ドライバーはぐっすり眠って疲れをとらないと、安全運転が疎かになりやすいためです。
自宅で使っているものと同じタイプの枕を用意すると、トラックの寝台でもいつもと同じ寝心地を維持できます。
使い慣れた枕で睡眠の質を高めて、安全運転を心がけましょう。
電気毛布
冬場のトラックは、外気温の影響を受けて冷え込むことがあります。
寒さが厳しい日に電気毛布を使用すると、暖かく快適な環境で休息できます。
トラック専用の電気毛布は24V対応のものが多く、シガーソケットに接続するだけで簡単に使用可能です。
電気毛布は車内の暖房と違い、乾燥しにくいという利点があります。
長時間使用しても肌や喉が乾燥しにくく、温かさと快適さを両立できます。
電気毛布を購入する際は、トラック専用のものを選びましょう。
遮光・遮音カーテン
長距離トラックドライバーは、運航スケジュールによっては日中に仮眠を取ることも少なくありません。
その際、遮光カーテンは強い日差しを遮り、暗く仮眠をとりやすい環境を作るために欠かせないアイテムです。
遮音効果のあるカーテンを選ぶと、光の他に外部の騒音を軽減し、より快適な睡眠環境を作れます。
トラック専用のカーテンは取り付けが簡単で、サイズ調整が可能な製品が多く販売されています。
特に、全ての窓をしっかり覆えるタイプを選ぶと、プライバシーを守れるので仮眠時のストレスを軽減できます。
車種やトラックのサイズに合わせて適したものを選びましょう。
耳栓
遮音カーテンを使用しても完全に音を遮ることは難しいため、多くのドライバーが耳栓を活用しています。
特に、エンジン音や他のトラックからの音が気になる場合、耳栓をすると静かな環境を構築可能です。
長時間装着する場合は、柔らかい素材で耳への負担が少ないものがおすすめです。
耳栓は携帯性にも優れているため、車内のポケットなどに収納しておきましょう。
アイマスク
10分や15分仮眠を取る際、カーテンを閉めるのが面倒な方はアイマスクを使うと簡単に光を遮断できます。
アイマスクは、フィット感や通気性に優れたものを選びましょう。
長時間使用しても耳や顔に負担がかからないデザインのものを選ぶと、より快適に仮眠できます。
また、冷却機能付きのアイマスクは夏場の暑さ対策としても効果的です。
トラックの寝台を快適にするアイテムを購入して疲れをとろう

トラックドライバーは、十分な休息を取ることが安全運転につながります。
寝台を快適にするアイテムの活用は、運転や積み降ろしの疲労を軽減し、仕事の効率を高めるために重要です。
今回紹介した折り畳み式マットレスや遮光カーテンなどは、多くのドライバーにとって必須のアイテムといえます。
特に長距離運転を担当するドライバーにとって、快適な寝台環境は事故防止や健康管理にも直結します。
寝台を使う長距離トラックドライバーの求人情報を探している方は、物流業界専門の転職サイト「ドラピタ」を活用してみましょう。
「ドラピタ」には、寝台を完備したトラックドライバーの求人が多数掲載されています。
未経験でも応募可能な求人も多いので、トラックドライバーに興味のある方は勤務地や条件などを比較してみてください。
文字数:5557文字
