若手が活躍できる業界にするために。新卒で物流業界に飛び込んだからこそ見えたもの。

今回、取材させていただいたのは、名正運輸株式会社の営業・車輛統括品質本部リーダーである加藤さんです。ご家族が物流業界で働いていたこともあり、物流企業に若くして入社されています。等身大の経験や価値観を活かして、組織を創っていく立場から見た、業界や会社の課題や今後の自身の目標についてお話を伺いました。

名正運輸株式会社
営業・車輛統括品質本部 リーダー 加藤 和樹
新卒で入社し、現在5年目。もともと車が好きで、趣味はドライブとゴルフ。中高はゴルフ部で打ちっぱなしに行くのが今の楽しみ。

家族が物流業界で働いていたことが、仕事選びの大きな主軸になりました。

ーこの業界で働こうと思ったきっかけを教えてください。

当社は祖父の代で立ち上げた会社で、やがて親族である叔父へと引き継がれ、叔父が現社長へ就任しました。私自身としては、祖父をはじめ身内が小さな頃から運送業界で働く背中を見て育ってきたので、周りの同世代と比べると、この業界のイメージは良かったんだと思います。就活する際、色々な業界も見ましたが、結局この業界を良くするために頑張りたいと思い、入社を決意しました。一般的には、ブルーカラーに捉えられていますが、一定の規模感のある物流企業であれば環境も整っていますし、ごく一般的なサラリーマンと比べても働く環境に遜色はないと思いますね。確かに労働時間や休日日数など働き方に関しては課題に感じるところもありますが、物流を支えるワンチームとして人の繋がりや温かさを感じる機会が現場勤務で何度もありましたし、物流の面白さやリアルな実情がもっと伝わってほしいとも思っています。

ー現在、リーダー職をされていますが、お仕事内容についてお聞かせください。

主に営業や車両管理、人事の仕事を中心に任せていただいています。入社後は1年の本社勤務にて現場での研修を経て、その後2年間は一宮・千葉・大阪と各支店の立ち上げ役として各拠点で勤務し、現在に至ります。現場業務ではドライバー職や倉庫職など、物流をあらゆる角度から学べたので、正しい物の見方や考え方を養うことができました。若手が少ないので、先輩方から可愛がってもらえるのも、この業界の特権じゃないですかね(笑)

取扱う商品は「食品」。出入りするのは大型スーパー。誰でも身近に感じてもらえる業務内容ばかりです。

ー読者に対して、どんな企業なのかご説明ください。

当社は大手食品スーパーとの取引を中心に、全国16拠点に支店を構えています。扱うものは主に食品で、市場としても安定しているのが特徴ですね。また、当社では自社雇用・自社車輛でのサービス提供にこだわっており、すべて自社内でワンストップで完結するのも物流企業として大きな強みとしています。外注に出すのではなく、自社で一貫して行うことで、品質の高いサービスを提供できていることが荷主様に高い評価をいただいています。

ー会社が目指す将来像を具体的に教えてください。

「リージョナルからナショナルへ」を掲げており、地元名古屋はもちろん物流が盛んな首都圏や関西圏にも展開を目指し、現在の川崎営業所、夜光営業所、流山営業所、住之江営業所を足がかりに大型のセンターを手掛けて、首都圏の人に認めてもらえる会社になることを今は目標としています。ゆくゆくは食品だけでなく、幅広い輸送で付加価値の高いサービスを提供できる総合物流企業となれるよう日々取り組んでいます。

ー実際に働いてみて、仕事の面白さややりがいはありましたか。

私の経験で言うと特に印象深いのは、災害時ですね。災害時に緊急便で食品を配送した際、「届けてくれてありがとうございます」と深く感謝されたことが色濃く記憶に残っています。自分の仕事が、誰かのためになっていると実感できた瞬間でした。また「食品を扱う」という視点だと、様々なメーカー様の商品を扱う中で人気商品の新作情報を世間より早く知ることができたり、その商品を実際に店舗でお客様が手に取る瞬間に立ち会えた時も嬉しく思いますね。

現場の声が正解になる。働き手への思いやりがある会社です。

ー貴社の働きやすさについて教えてください。

会社の風土としては、何事も現場の声を大切にしており、会社全体が現場の声に耳を傾ける姿勢があるところですね。ワンマン経営ではなく、きちんと現場の課題を吸い上げ、働きやすい環境へと改善していくことができるので、従業員としては安心できます。ルールに囚われず、必要ならそのルールを変えていくことができるのは、この規模の会社では珍しいのではないでしょうか。リーダー陣も積極的に困ったことがないか聞いてくれるので、こちらも意見が言いやすい環境です。ほかにも、代表は「競争力があって、一人ひとりが豊かになれる会社にしたい」と常々言っています。チャレンジする姿勢に重きを置き、失敗してもそのプロセスを見てくれるので、若いうちにたくさん失敗して、たくさん学べる風土だったのも有難いと思いました。世代的にも、成果主義に偏りすぎると、失敗を恐れて踏み出せないですしね。もちろん、チャレンジしたことに対して成果が伴えば、きちんと評価してくれます。

ー反対に、新卒入社だからこその苦労エピソードはありますか。

例えば、支店立ち上げやマネジメントを任されたとき、分からないことばかりで最初は本当に大変でした。「部下の気持ちの動かし方」や「現場の士気を上げる方法」などマネジメントの基礎や考え方は全て先輩から教えていただきました。先輩方がとても近い距離で教育してくれたので、とても勉強になりましたし、成長を日々実感できましたね。

ー未経験者の採用についてはどう考えられていますか。

今までは経験者の採用がほとんどだったみたいですが、私が入社したころから新人教育にも力を入れるようになりました。入社後は座学の実習から始まり、月1回の集合研修と呼ばれる全体研修や、力量チェック、ドライバーズミーティングまで、未経験採用の場合1年掛けて教育していきます。研修体制を強化し始めて5年程経ちますが、かなり定着率も上がりましたね。ただ、いいことばかりではなく、もちろん課題もあります。若手が入社して1番最初の壁は免許です。免許がない方は倉庫や軽自動車で配送できる業務を増やすことも話し合っていますよ。またドライバーは歩合制で給与が安定していないのではという質問をいただくこともあるので、ある程度は保証されるよう固定給を上げたり、昇給制度を取り入れたり、と「安定して働ける」と思ってもらえるよう、本社では制度や評価にテコ入れしている段階です。

自分の娘や息子に勧められるクリーンな業界イメージに変えていきたい。

ー加藤さん自身の今後の目標を教えてください。

人事という視点で言えば、現段階ですと、2022年度入社の新卒内定者が7名採用できており、直近の業務の中では1番喜んだ出来事だったのですが(笑)会社として目標としている 10名の新卒内定者を確保すること、そして1期生である新卒内定者の方たちをきちんと育て全国の拠点へ送り出すことが今の目標です。私と一緒に10年20年ともに働いてくれるメンバーを責任を持って採用し、教育していきたいです。そのためにも、職人気質が多い業界特有の「見て覚えろ」というスタイルではなく、きちんと新人と伴奏して辞めない教育を心掛けています。

ー教育以外での目標はありますか。

20代の時間ってお金では買えないじゃないですか。仕事とプライベートはしっかり分けて考え、家族や恋人、友人を大切にできる会社にしたいですね。奥さんの誕生日を祝ったり、家族同伴で参加できるイベントを企画したり。父親が忙しくて子供の頃、寂しい思いをしたこともあったので、「物流業は働きにくい」という世間のイメージを覆したいんですよ。家族が応援してくれて、自分の子供が生まれたときに自慢できる会社にするのが今の私の夢です。この実現に向け、私の考えに賛同して一緒に会社を創っていきたい!と思ってくれる同志を採用できることを願うばかりです。

会社概要

  • 社名     名正運輸株式会社
  • 本社所在地  〒490-1438 愛知県海部郡飛島村大宝7丁目60番地
  • 設立     昭和44年6月10日
  • 代表者名   加藤 新一
  • WEBサイト  https://www.meisho-unyu.co.jp/
  • 事業内容   一般貨物自動車運送事業、倉庫業、貨物自動車利用運送、食品営業許可(一部営業所)