ドライバーたちと作り上げた福利厚生が自慢。もっと良くするために日々邁進。

  • 2025年2月28日
  • 2025年2月28日
  • ドラ魂

今回取材させていただいたのは、マストアークス株式会社の代表取締役である松下さんです。先代から受け継ぎ、自分の経験をもとに“働きやすさ”を追求してきた松下さんが抱く、会社の未来像を伺いました。

マストアークス株式会社
代表取締役 松下誠/マツシタ マコト

大学卒業後、一般企業に就職し営業職として従事。27歳の時に先代が経営していたマストアークス株式会社へ完全未経験での転職を決意する。ドライバーとして経験を積んだ後、先代が退任されるタイミングで代表取締役に就任した。

結婚・子どもが出来たタイミングで自分の人生を変えたかった

―まず、経歴からお伺いしたいのですが、松下さんは元々ドライバーをされていたのですか?

いえ、元々は大学卒業後、一般企業に就職し、営業職として働いていました。ドライバーは全くやったことがなかったですね。

―ドライバーをしたことがなかったのに、どういった経緯で運送・物流業界に転職をしようと思ったんですか?

サラリーマンとして働いていた時も仕事にはやりがいを感じていました。しかし、入社から数年も経つと「今は与えられている環境に甘えているのでは?」という気持ちが大きくなってきたんです。

丁度そのときに、子どもができるという人生の節目を迎えました。「 “新しいチャレンジ”をするなら今が最後のチャンスだ!」と思い、父が社長を務めていた、家業のこの会社に転職をしました。

忘れられないほど大変だったからこそ、今の会社にできた!

―全くの異業種への転職とのことで、苦労されたことはあるんでしょうか?

大型免許やけん引免許も持っていなかったので、免許を取るところからスタートしました。取得後は運転の練習から始めましたが、トレーラーの運転に慣れることがとにかく苦戦しましたね…。とはいえ、着実に出来ることが増えていたということも事実なので、“少しでも早く一人前になるんだ!”という思いで必死にくらいついていきました。当時は練習出来る場所もなかったですし、教育ノウハウも社内になく、現場へとにかく出て、失敗しながら学ぶ。という毎日だったので、だいぶ苦労しましたね…

―そういった経緯があったからこそ、教育面や待遇面に力を入れていったんですね!

自分自身が“ドライバー未経験”だったからこそ、「こうだったらいいのに」「こうしたらもっとよくなるのに」と感じる場面がたくさんありました。例えば、トレーラーの運転の練習場所の提供や、教育ノウハウの整備などが最たる例です。「自分と同じ苦労をさせない」という気持ちで教育面・待遇面に力を入れていきました。

今では、「トレーラーの運転経験がないんですけどいいですか?」なんて求職者の方に自信を持って「当社なら大丈夫!」と言える環境に出来ていると思います。

―教育面や待遇面以外で、意識的に増やしていった制度などはありますか?

ドライバーって仕事中は1人の時間が多いんですよね。そのため、なかなか会社に対して”愛着”や仕事に”やりがい”を持ってもらうことが難しいと感じていました。そこで、当社では「ここで働くことが楽しい」と感じてもらえるような仕掛けづくりに取り組んでいます。一番好評なのが、年末年始のビンゴ大会です。もともと会社がもらったお歳暮などを納会などで配っていましたが、それをビンゴ形式にして一つのイベントとしました。

”楽しみの仕掛けづくり”として、ビンゴの景品をお歳暮に会社から豪華な景品をプラス。昨年は自動掃除機などの家電製品を目玉商品にしました。またビンゴカード自体の枚数も、安全運転の数値に応じて配ったり、毎日ビンゴの番号を社内アプリで昼休憩の時間に配信したりと、毎日の仕事に絡めて仕掛けを作っていきました。

―ビンゴの時期は毎日会社に行くことが楽しくなりそうですね!従業員の方からのご反響はどうですか?

その時期は、夕方帰社するたびに毎日ドライバーが「リーチになりました!」なんて、ビンゴカードを持って私のところに来てくれたりします(笑)「来年はこの景品が欲しい」なんておねだりもあったりして、従業員に楽しんでもらう仕掛けのつもりが、いつの間にか私も笑顔になっていますね。私が欲しい景品を用意したりもするので、一緒に楽しんでますよ!

―社長も含めて、みなさんが楽しめるイベントになっているんですね。ビンゴ以外にも楽しく仕掛けはなにか作っているんですか?

その他にも、実際の業務や生活面でも楽しめる仕掛けを新しく増やしました!例えば、毎年実施をしている健康診断結果の優良者に「報奨金として金一封の支給」や、エコドライブ運転で環境保全や事故防止に貢献された方に報奨金を支給する「燃費改善計画制度」の導入など、実際に働きながら「マストアークスで働いていて良かった!」と思ってもらえるように制度を増やしていますね!

―その他にも、直近導入された制度の中で反響がいい制度はありますか?

直近では、「オフィスでヤサイ」という設置型の社食サービスを導入しました。会社が野菜製品を注文し、社員が購入出来るサービスなんですが、これが意外とドライバーからも評判が良く、「次はこのメニュー試してみたいです!」なんて要望もあるくらいです。その他にも、ウォーターサーバーを新たに事務所に設置しました。ドライバーが運転中にジュースなどを飲みすぎて「毎年、健康診断にひっかかる」なんてケースも見てきたので、運転中に飲んで欲しいという気持ちで導入しましたが、夏場などはみんな水筒に水を詰めて持っていってくれています。

―新しく制度を作る際に、意識していることはあるのでしょうか?

あくまでもドライバーが「この会社で働いていてよかった」と思えるものを作っていきたいです。そのために、社員とは気軽に話せる関係性でいたいと思っています。「社長!こんなことがあったよ」「最近これに困っていて」なんて世間話や相談ができる関係性だからこそ、”本当に”会社にとって必要な取り組みを見極めることができると考えています。

チャレンジの結果、多くのドライバーを迎えることに!

―教育面や待遇面に力を入れられた結果、求人のご反響はいかがだったでしょうか?

ドライバーへの還元をしっかりしているという点が認知されたからか、求人に対しての問合せも増えてきたように思います。「子どもが帰ってくるまでには家にいたい」「週末は家族と一緒に過ごしたいから毎週土日は休みたい」なんて、問い合わせも増えましたよ!時短勤務で入社した女性ドライバーがママ友さんを紹介してくれる。そんなサイクルも出来たので、導入して良かったと思いましたね!

―女性の方からのお問合せも増えたんですね!確かに取材をしてみると女性ドライバーさんの多さにびっくりしました!

確かに女性ドライバーの多さは当社の一個の大きな特徴かもしれませんね。柔軟に勤務時間の調整が出来るようにしているので、働きやすさを実感してくれていると思います。実際に「朝は子どもの送り迎えをしてから出勤したい」などの働き方で活躍してくれている女性ドライバーもいます。紹介入社が続くようになっているので、制度を整えて良かったと思います。あとは、未経験から入ってきてくれるドライバーも昔に比べて増加しているので、教育面に力を入れてきた成果が実りつつあると嬉しく感じています。

失敗も成功も沢山した。だからこそ、今の会社が出来上がりました。

―では、次に会社の今後の姿についてお話をお伺い出来ますか?

楽しんで働ける会社づくりの次は、ドライバー1人1人のスキルの向上を目指して、事故のない「日本一のプロフェッショナル」なドライバー集団になりたいという夢があります。そのために、当社ではeラーニングによる教育システムを導入。社内の共有アプリでどこからでも安全研修を受けられるようにしています。リアルタイムで受講が可能になることで、より素早く、精度の高い教育を受けられるようにカリキュラムを整えていきます。

―最後に、ドライバーさんとの関係性を通して、やりがいを感じたことを教えてください。

最近新しい車庫を建てたのですが、ドライバーが私の横に来て「この看板くらいは僕も会社に貢献できていますよね」と声をかけてくれたことがありました。「あぁ。この子は自分の会社・自分の仕事に愛着を持ってくれているんだ」と、入社してここまでやってきたことは、無駄ではなかったと嬉しくなりましたよ。

会社概要 

  • 社名    マストアークス株式会社
  • 住所    〒498-0054 愛知県弥富市三稲一丁目50−1
  • 設立    1990年6月8日
  • 代表者名  代表取締役 松下 誠
  • WEBサイト https://mustarcs.co.jp/
  • 事業内容  一般貨物自動車運送事業(中運自貨二第592号)・貨物利用運送事業(愛運輸第2365号)