今回、取材させていただいたのは山崎商事運輸株式会社、代表取締役の山崎さんです。山崎商事運輸では、Yamazaki名古屋情報センターを2021年8月に開設したばかり。山崎さん自身、色々な想いを込めてこの新オフィスの開設に至ったと言います。なぜ名古屋の一等地に新オフィスを構えたのか、そして新オフィスのこだわった内装や設備、また山崎商事運輸の現在と未来まで詳しくお話をお伺いしてきました。
代表取締役 山崎 太嗣
廃業寸前の15年前、12台から再建し現社長へ就任。社長はトップセールスマンをモットーに、常に新しいビジネスチャンスがないか、様々な場に顔を出している。食通で、有名店に行くのが好き。お寿司が大好物。
Yamazaki名古屋情報センターは、当社の心臓部となる物流コントロール基幹です。
ー今回、名古屋駅に開設されたYamazaki名古屋情報センターの開所理由を教えてください。
運送業界ってまだまだアナログな業界なので、10年は遅れていると言いますよね。正直、ITに疎い人が経営者にも働き手にも多いと私自身も課題に感じています。だからと言って、このままDX化の波に乗らないのも違うと思ったんですよね。業界を一気には変えられないので、まずは自社から改革をしていこうと思ったのが名古屋情報センターを立ち上げようと思った始まりです。
ー実際、Yamazaki名古屋情報センターはどのような役割があるのでしょうか。
もともと現役時代に配車業務をやっていた時から、常に「効率のいい輸送」を念頭に置き、生産性や効率をかなり意識していました。従来は営業所ごとで完結していた運行管理の体制から脱却し、情報を集約・共有することで、連携の強化と生産性の向上を求めたのがYamazaki名古屋情報センターの設立コンセプトです。各拠点の稼働状況や配車ルートなどを集約し、余剰があればそこへ新たな荷物を乗せて運べるよう、また、的確で効率的な配車が実現できるよう、常に各方面にアンテナを張っています。
物流業界では2024年問題に向けて課題を抱える中、「時間外労働時間の上限規制」を厳守するため労働時間の短縮を優先してしまうとドライバーさんたちの給与面に影響を及ぼし、人材の定着は厳しくなります。ですが、このままの働き方を続ければ、人件費の高騰により経営は更に厳しさを増していきます。この問題を解決するには荷主様への運賃の値上げ交渉なども重要なことですが、まずは内部要因の改革を行い生産性と効率を追求していきたいと考えました。いかに効率よく売り上げることができるか、生産性の高い組織が私の理想です。今後は、より密に協力会社様とも手を組んで、どれだけ売上アップを図れるかが私たちの勝負だと思っています。
―なるほど。もう少し事業について詳しく教えていただけますか。
ここで言う「効率のいい輸送」を叶えるために力を入れているのが、自動車運送取扱事業です。一般的には貨物運送取扱事業とも呼ばれ、協力会社様に輸送を委託することを指します。自社の荷物、自社の車両に依存することなく仕事を受託することで自社便だけでなく、全国の協力会社様の車両に無駄な稼働がなく配車を組むことが可能になります。行き便だけでなく、帰り便で荷物を運べば効率がよく、SDGsなど環境保全についても意識が上がってきている今、エコな輸送とも言え、コストの軽減や遊休車両の稼働にも繋がります。ただ、今はまだまだアナログな体制でやっています。各拠点で活躍していた人材を集めて、人力で情報を集約しマッチングさせているのですが、ゆくゆくはシステムを開発して、もっと容易に物流のマッチングができるようにしたいと考えています。
ここなら働きたいと思えるオフィスの空間づくりに注力しました。
ーそもそも、運送業で拠点を名古屋駅に構えた理由は何ですか。
一番の理由は、採用を円滑に進めるためです。働き方改革で多様性が求められる今、運送業として有能な人材を集めることは大きな課題であり最優先事項だと思っています。この業界は異業種の方から見れば、3K(きつい・汚い・危険)職種というイメージが強いです。それでは、若手や女性を積極的に採用したくても、そもそも応募が来ない。だったら、いっそのこと本社のある清須市ではなく、名古屋駅にオフィスを構え、圧倒的にオシャレなオフィス環境を整えようと思い、開設しました。「オフィスが綺麗」「駅からのアクセスがいい」この2つを念頭に内装デザインや立地はかなり悩みましたね。業界イメージをすぐにクリーンにできなくても、働く環境は変えられる。だから、まずはオフィスの空間づくりに注目しました。おかげさまで応募者をたくさん集めることができ、本来決して出会うことのない人材にも巡り合うことができました。今後はこの名古屋情報センターを拠点に採用活動を行い、求職者のニーズに合わせて各拠点に人材を配置していこうと思っています。もちろんバックオフィスだけでなく、営業スタッフの採用や、ゆくゆくはここでドライバーの採用もしていきたいですね。
フリーアドレスやリモート勤務など、今の時代ニーズに合わせた働き方を実現。
ー今回のオフィス空間でこだわった部分を教えてください。
全体的に「運送会社っぽくない」をイメージしてデザインしてもらいました。白いトーンの壁と木目調のコントラストで清潔感を出しました。窓は大きく開放的で、日当たりも良好。天井も取り払い、より広く見せています。また、美観も考えキャビネットはあえて入れずに、パーソナルロッカーを多めに設置しました。携帯とノートパソコンは1人1台支給しているので、フリーアドレスで働くことができます。コピー機もあえて、オフィスの端に寄せて、出来るだけペーパーレスを意識しています。ここへ面接に来られる方たちからは「こんなオフィスで毎日働きたい!」とありがたいお言葉をいただいています。
ー名古屋情報センター開設後、働く皆さんはどうですか。
みんな、イキイキと働いていますよ(笑) 本社と切り離しても連携して働けるように、大きなディスプレイを設置し、各拠点の様子がリアルタイムで見れるようになっています。これは監視のためではなく、あくまでもコミュニケーションを円滑にするため。画面を見ながら電話したり、少人数でも和気あいあいとした雰囲気の中で働けています。現場もバックオフィスも、どうせなら綺麗なオフィスで働きたいじゃないですか。女性が気持ちよく働ける環境っていうのもかなり意識してデザインしましたので、女性社員も喜んでくれています。近いうちにバックオフィスのスタッフは、オフィスに出社しなくてもリモートで働けるようにしていきたいですね。
一人ひとりが夢に挑戦できる会社でありたい。
ーこれからの展望を教えてください。
経営理念にも掲げている「すべての夢をYAMAZAKIで」にもあるように、社員の夢が叶えられる会社を創りたいです。従業員が何のためらいもなく、どんな角度からも夢の実現ができ、未来が語れる会社が理想です。物流に関する夢をたくさん叶え、ともに成長できればと思います。もちろん、従業員の家族にも「パパってYamazakiで働いてるんだね!」と誇ってもらえるような会社を目指したいですね。そのためにも、まずは売上拡大が重要になってきます。利益を常に意識した営業体制や、全国の協力会社様と一丸となって物流を支え、きちんと原資を増やして、どんどん従業員に還元したいです。綺麗事に聞こえてしまうかもしれませんが、自分のためではなく、従業員にために前へ前へ進んでいきたいと思うようになりました。社会インフラに欠かせない物流業の使命を理解し、企業理念にある「今を運び未来を築く」を実現し、たくさんの夢を叶えるため、まだまだ全力疾走で駆け抜けたいと思います。
会社概要
- 社名 山崎商事運輸株式会社
- 本社所在地 〒452-0962 愛知県清須市春日郷ヶ島28番地
- 設立 昭和49年10月
- 代表者名 代表取締役 山崎 太嗣
- WEBサイト http://www.y-s-u.co.jp/
- 事業内容 一般区域貨物自動車運送事業、自動車運送取扱事業、貨物輸送に関する貸切及び一括引受、婚礼引越荷物の配送、倉庫保管、管理、荷役荷造梱包、重量物搬入搬出、取付メンテナンス