運行管理の仕事内容は?向いてる人、必要スキル、月収相場

「運行管理ってどんな仕事?」「国家資格が必要?…それだと難しいのかな。できれば一般事務より上流の仕事がしたい」と自分にできる仕事か、お悩みではありませんか?運行管理の仕事は、必ずしも初めから国家資格が必要な訳ではありません。運行管理者には2種類あり、人を運ぶ「旅客」と、物を運ぶ「貨物」に区別されます。ここでは「貨物」における運行管理の仕事内容と国家資格について、向いている人、月収、やりがいまで詳しく解説します。

運行管理の仕事内容

ドライバーの点呼の労務管理

運行管理者とは、公共の安全と利用者の信頼、そしてドライバーを守るために、運行に関する全般の管理を行う仕事。ちょっとした不注意が重大事故に繋がりかねない運送会社に欠かせない存在です。

具体的には、ドライバーの点呼を通じて、以下の項目をチェックします。

● 出勤・退勤
● 睡眠不足
● 健康状態
● アルコールチェック
● 免許証の携帯
● 車両の日常点検
● 鍵の持ち出し
● 服装・身だしなみ

また、ドライバーの乗務時間休憩時間を適切に調整するのも重要な仕事の一つ。

連続運転は4時間が限度、休息は連続8時間以上必要、などの細かい基準に則りつつ、効率的に配達できるよう運行計画を立てます。

トラックの安全管理

その他にも、貨物の重量がトラックに載せられる重量をオーバーしていないかの確認、ドライバーへの貨物積載方法の指導事故・苦情の処理と記録など。業務は多岐にわたります。運送業者の安全を守るスペシャリストといっても過言ではないでしょう。

運行管理の仕事に必要な国家資格

運送会社は、営業所に保有している車両台数によって、定められた人数の「運行管理者」を配置するよう法律で決められています。
「運行管理者」とは国家資格保有者のこと。

ただし、運行管理の仕事は必ずしも国家資格を所有する必要はありません。
国土交通大臣指定の講習を受ければ、運行管理補助者として働けます。
さらに5年以上の実務経験を積みながら、基礎講習を含む5回の講習を受講すれば試験を受けずに、運行管理者の資格取得も可能です。

とはいえ、実際には会社から任命されて受験する人が多いよう。
合格率はおよそ30%と、他の国家資格と比べれば難易度が高くありません。

運行管理者を目指すのであれば、取得しておけば有利に働くことは間違いないでしょう。

運行管理に向いている人

コミュニケーション能力が高い

運行管理の仕事は、ドライバーを取りまとめる、いわばリーダーのような存在でなければなりません。ドライバーの中には、ベテランで年長者の方も多く存在します。そんな中でも、うまく付き合えるコミュニケーション能力が必要不可欠です。

また運行管理者は交通事故を防ぐキーパーソン。毎日責任感を持って仕事に取り組む必要があります。
「まぁ、いいか」が事故を引き起こす原因になりかねない仕事のため、責任は重大です。

そして臨機応変な対応ができる人も運行管理の仕事に向いています。
「車両事故で運行計画を組み直さないといけない」「配達先を間違えてしまった」など、トラブルに対して、とっさの判断が必要な場面があります。
そのような状況下でもストレスを感じずに、柔軟に対応できる人にぴったりの仕事です。

運行管理に向いている人まとめ

● 誰とでも分け隔てなく、コミュニケーションがとれる
● 責任感が強く、きっちり予定通りに仕事がこなせる
● 状況が変わっても落ち着いて、瞬時に臨機応変な対応ができる

運行管理の月収相場

運行管理者の平均月収は32万円前後

経験や業務内容、地域などにより異なりますが、運行管理者の平均月収は32万円前後
資格を保有しない貨物事務員(配車スタッフ)の平均月収は26万前後と、運行管理者から比較すると6万円低くなります。

一般的な事務員より、資格を取得し運行管理者として働く方が、良い年収を望めるでしょう。

運行管理のやりがい・大変な部分は?

運行管理の大変な部分

運送管理者の大変な部分は、貨物の荷主・ドライバー・上司の三者から板挟みに合うことです。
荷主からすれば運送費はなるべく削減したいもの。当然上司に当たる経営者としては1日にできるだけ多くの金額を稼ぎたい。するとドライバーにしわ寄せがいく……。
このような悪循環にならないよう、三者と折衝するわけですが、これがなかなか大変です。
ストレスを感じる人もいるでしょう。

運行管理のやりがい

大変な部分も大きい分、繁忙期を乗り越えたときは達成感を感じます。
深く人と関われるので、結束力を感じる人もいるでしょう。

また、運送管理者の有資格者は幹部候補になる可能性が高くなります。責任の大きい仕事ですが、その分将来の見返りを期待できるとなれば、やりがいを感じやすい仕事といえるでしょう。