大型トラック運転手は、貨物を指定の荷卸し場所まで輸送するのが主な仕事です。 小型・中型と比較して重い貨物を大量に積み込むことができるため、積み下ろしの回数は少ないものの、都道府県をまたぐ長距離輸送が多く 目的地まで車中泊をしながら数日かけて運転することがほとんどです。
そんな、大型トラックドライバーは未経験からでも始められるのでしょうか?今回は、大型ドライバーになるためのステップや、魅力、お仕事内容などイチから紹介していきます。
トラックドライバーに必要不可欠な免許取得手順
大型トラックドライバーになる為は、まず大型免許の取得が必須項目です。そして、大型免許を取得することで、道路法内で車両総重量や最大積載量の制限なく、大きな自動車を運転できるようになります。「じゃあ、免許を取得するためには何から始めたらいいの?」そんな方に向けて、今回は『免許取得の手順』からご紹介します。
自動車免許の取得から大型車種にステップアップ
そもそも、大型自動車とは、車両総重量11t以上、最大積載量6.5t以上、乗車定員30人以上の自動車です。バス・トラック・ダンプカー・タンクローリー・ミキサー車・高所作業車・ゴミ収集車などが挙げられます。大型自動車を日本の公道で運転するには、大型自動車第一種免許が必要です。ただし、旅客を乗せる業務として運転する場合は、大型自動車第二種免許が必要になります。また、大型自動車免許を取得するには、21歳以上であることと、普通免許等を保有してから3年以上経っているという事が条件となります。
大型自動車免許取得に向けた学科試験の勉強法
大型免許の取得方法は、普通自動車免許などと基本的には同じで、2つあります。一つは、自動車教習所に通って、技能卒業検定に合格する方法。もう一つは、運転免許試験場でダイレクトに技能試験を受ける、いわゆる一発試験という方法です。
学科試験は基本〇×問題形式で出題されるため、教習所での学科の授業やビデオ、教科書の内容をしっかりと頭に入れておけば、迷うことなく解けます。また、教科書の欄外に小さく書かれているポイントや教官が教科書内で丁寧に説明している箇所は、しっかりと覚えておくことも大切です。
実地教習での注意点と合格に向けたコツ
自動車教習所に通って大型免許を取得する場合は、学科教習と技能教習を受講して卒業検定に合格し、自動車教習所を卒業後、運転免許試験場で適性検査を受けます。適性検査に合格すれば、大型免許取得となります。自動車教習所を卒業していれば、普通自動車免許とは異なり、運転免許試験場での学科試験・技能試験がどちらも免除となるのが特徴です。
運転免許試験場で、適性検査・学科試験・技能試験に合格すれば、自動車教習所に通わずに大型免許を取得可能です。これが「一発試験」と呼ばれる方法です。一発試験では、適性検査と場内試験(仮免許試験)に合格し、路上練習を10時間以上行ったうえで本試験に合格、その後、取得時講習を受けることで大型免許を取得できます。ただし、大型自動車の運転は、普通自動車とは高さや幅が異なるため、ハンドル操作や後進などが難しく、このような高度な運転技術を独学で習得しなければなりません。さらに、一発試験の技能試験では普段慣れていない試験場のコースを走行しなければならないため、合格率は低いといわれています。
大型トラックドライバーへの転職準備
これまでの紹介で、大型免許取得の流れは掴んでいただけましたでしょうか?大型免許の取得は、ドライバーにとって、転職の大きなカギとなります。より高みを目指すためにも、ぜひステップアップを視野に入れてみて下さい。
そしてここからは、大型トラックドライバーへ転職するために確認しておいた方が良い項目をご紹介していきます。
大型トラックドライバー向きの人物像とは?
トラックドライバーは、学歴や経験を問わないことが多い職業です。特別なスキルが無い、未経験の方でも応募できる企業が多いため、始めやすいと言えるでしょう。
特に、運転が好きな人にとっては『天職』になる場合も。逆に捉えると、“労働時間内はずっと一人で運転”ということもあるので、運転が好きでない方だと退屈に感じ、やりがいも見いだせないかもしれません。
また、一番大切なことは安全運転ができるかどうかです。事故と隣合わせの職業なので、常に気を張って安全運転に努める必要があります。車両が大きい分、死角も大きくなってしまうので、危険予測運転が必要です。
大型トラックドライバーに求められる体力とは
荷物を積み降ろすための体力や運転するための集中力があることも重要です。仕事によってはハードな荷物の積み降ろしが必要になるため、中高年や女性の方は手積み手降ろしの無いお仕事を探すことをオススメします。一般的に、自動車部品輸送の企業は手積み手降ろしなしがほとんどなので、仕事内容をしっかりと確認してから、応募すると良いでしょう。
トラックドライバー求人情報を確認するポイント
「大型トラックには乗ったこともないし、免許も持っていない…」そんな方は資格支援制度があるかを重要視するのが好ましいでしょう。最近は、入社してから資格を取得させてくれる会社がほとんどです。経験者優遇の企業ももちろんありますが、未経験歓迎の会社では資格・免許取得にかかる費用を一部負担してくれるケースがあります。中には、全額負担の会社もあるため、求人を見る際には要チェックです。
大型トラックドライバーの仕事内容と給与
実際に、大型ドライバーと働くとなると、小型ドライバー・中型ドライバーと比べ、どんなところが変わってくるのでしょうか。ここでは、主に大型トラックドライバーの仕事内容と給与について焦点を当て、紹介していきます。
仕事内容と業務を理解して大型トラックドライバーになる
大型トラックドライバーの主な仕事は、『運転』と『荷物の受け渡し』の2つに大きく分けられます。運送する荷物の種類によって、仕事内容が変わる場合が多いです。重工業系や畜産など荷物が特殊な場合は運転のみになりますし、日用品や食料などの場合は積み降ろしまでを行う傾向があります。企業ごとに細かい仕事内容は変ってくるため、求人を見る際には、配送品目・配送先・積み降ろし方法など、詳細をしっかり確認しておきましょう。
大型トラックドライバーの年収と給与水準
大型トラックドライバーの平均年収は、450万円ほどです。
男性の場合、月収にすると38万円ですが、ドライバーになりたての時期は月収30万円〜35万円位の水準になります。なりたてだとしても一般的な会社員に比べると給料は高めの傾向です。
収入のしくみとして、走行距離や運ぶ荷物の種類によって給料に変動があることが大型トラックドライバーの特徴。そのため、長距離を走行することや重要な荷物を運搬することで、月収50万円以上を得ることも珍しくありません。
大型トラックドライバーの仕事のメリットとデメリット
大型ドライバーのデメリットとしては、「積み降ろしや長時間の運転で肉体的な負荷がかかる」ということが良く挙げられます。また、勤務形態によっては生活が不規則になりやすいため、体調を崩すことも。自己管理能力が高い人に向いているお仕事と言えるでしょう。
メリットとしては、運転が基本の仕事であるため、一人での業務時間が多くなります。その分、人間関係のストレスが少ないのが魅力の1つです。仕事内容や会社の雰囲気が合えば、長く勤められる傾向にあります。他には、給料が比較的高く安定している点もメリットとして良く挙げられます。昔は、長時間労働(残業)・休日出勤をして高い給料を稼ぐというイメージがありました。しかし、2024年問題という事もあり働き方が見直され、長時間労働をしなくても、安定した収入を得られるように変わってきています。また、年齢や学歴、性別を問わず活躍できるのも魅力と言えるでしょう。
大型トラックドライバーの職場環境と人間関係
運送業界において、ホワイト企業が多いと言えるのは大型トラックドライバーです。そもそも、大型トラックドライバーは、運送業界の中でも人員があまり多くありません。なぜなら、大型トラックを運転するためには「大型自動車運転免許」が必要であるため、難易度が高く人員が少なくなっている傾向にあるのです。
しかし、サイズの大きい物を運搬するためには大型トラックは必要不可欠。そのため、大型トラックドライバーは普通のドライバーと比較して好待遇で雇用されるケースが多い傾向にあります。
大型トラックドライバーの人間関係と労働環境
「人間関係や労働関係については、働いてみないと分からない…」という意見もありますが、働く前でも見分ける方法はいくつかあります。
一つは『働きやすい職場認証制度』に認定されているかどうかです。働きやすい職場認証制度とは、職場環境改善に向けたトラック、バス、タクシー事業者の取組みを「見える化」することで、求職者の運転者への就職を促進し、各事業者の人材確保の取組みを後押しすることを目的とした制度となります。この制度に認定されているという事は、会社の人間関係や労働環境が整っている傾向にある、と言えるでしょう。
他にも、『Gマーク』や『ホワイト経営認証』といった制度で認定されている場合もあります。
荷主とのやり取りや配送現場でのコミュニケーション
先ほど、ドライバーは基本1人での業務がほとんどである、と記述しましたが、仕事内容によっては、配送現場でのコミュニケーションも必要となります。荷主とのやり取りを円滑に進めるためにも、コミュニケーション能力は大切と言えるでしょう。
中には、夜間の無人店舗への配送といった、必要最低限のコミュニケーションで行える業務もありますので、自分に合った仕事を見つけるのがポイントとなります。
長距離運転の中でのストレスとその克服法
いくら運転が好き!という方でも、長時間の運転はストレスの原因になりがちです。精神的にも肉体的にも疲労をもたらします。きちんと睡眠時間を確保することが難しく、トラックの中での仮眠を睡眠の代わりにするケースも少なくありません。
また、トラック運転手は長時間運転することが少なくないため、同じ姿勢を取り続けて身体に疲労がたまりがちです。そのため、休憩時間には身体をストレッチすることによって、心身ともにリフレッシュすることができます。トラック運転手を続けていると、同じ場所に同じようなタイミングで他の運転手も来ることがあります。普段は一人で黙々と運転することが多いため、そのような場所で他の運転手と話しをすることも良いストレス解消になるでしょう。
トラックドライバーとしてのキャリアアップ
運送会社に入社してキャリアアップを目指すのであれば、トラックドライバーとしてのスキルを磨くだけでなく、管理者・内勤者を目指すという選択肢もあります。管理者になると、経営にも関わる必要がありますから、ビジネスパーソンとしての視野を広げることも可能です。配車計画などの内勤を担当したいなら、運行管理者の資格を取得し内勤職になることをオススメします。安全で効率的な運行計画を策定するための知識を身につけることができます。
しかし、今回は「トラックドライバー」としてのキャリアアップを紹介していきます。
トラックドライバーのスキルアップに役立つ研修と勉強法
トラックドライバーの中でも慢性的な人材不足にあるといわれているのが、化学物質を輸送する運転手と言われています。そのため、ドライバーになりたい人にとっては狙い目の業界だと言えるでしょう。
しかし、化学物質のドライバーとなるためには、危険物取扱者の資格を持っていなければなりません。危険物取扱者とは、消防法上で定められた危険物を取り扱う際に必要となる国家資格です。危険物取扱者には甲種と乙種、丙種があり、甲種であればすべての種類の危険物の取り扱いと立ち会いができます。
乙種は危険物の種類別に取得する必要があり、丙種はガソリンや油等のみ取り扱うことができる資格です。試験内容自体は特別高度というわけではありません。危険物の性質や性状、特性、化学や物理の知識を繰り返し学習していけば、3科目すべてで60%以上正答することはそれほど難しくありませんので、危険物取扱者資格に挑む際は、ぜひ乙種4類にチャレンジしてください。対策のコツを押さえることができれば、短期合格を目指すことは十分に可能です。また、タンクローリードライバーになると、手積み手降ろしがなくなるため、体力的な負担の軽減にも。年齢を重ねても続けられる業務なので、生涯現役も叶います。
大手運送会社との契約方法とキャリア形成
大手の運送会社で働くメリットといえば、やはり倒産のリスクが少ないことと安定した給料が得られる点が挙げられます。中小企業に比べ、勤続年数によって収入が増えていく会社が多く、賞与額にも期待が出来ます。
トラックドライバーの採用面接では、学歴や職務経歴などよりも人となりを大事にする企業が多いため、面接がかなり重要となります。面接時には、トラックドライバーとして仕事をする『動機』を志望理由に加えることが大切です。例えば、「トラックドライバーとして働いていた経験がある」「保有している資格を活かしたい」など、明確な理由があると、採用側にも印象付けることができ転職に有利になります。経験者なら特に、今までの経験を盛り込むことで志望動機に、一気に厚みが出てきます。
大手運送会社であれば、働き方のマニュアルや人材育成の取り組みがしっかりしているので、キャリア形成についてもしっかりとした基盤があります。将来の『安定性』を重要視するのであれば、大手企業をオススメします。
経験を積んでトラックドライバーとしての広がり方
けん引免許や大型二種免許などを取得することで、仕事の幅が大きく広がります。たとえば、けん引免許を取得すると、トレーラードライバーになることも可能です。トレーラードライバーになると、平均年収455万円まで上がります。免許を取得し対応できる仕事を増やすことで年収アップを目指せますよ。
地域別・業種別の大型トラックドライバー求人情報
ここまでで、大型トラックドライバーの詳細について理解できたのではないでしょうか。
最後に、地域別でみるトラックドライバーの求人について、動向を紹介していきます。
地域別で見る大型トラックドライバーの求人動向
大型トラックドライバーの仕事は全国各地でありますが、やはり主要都市はより多くの企業があります。また、大型免許保持者が多い都道府県は、1位は東京の145万人、次いで2位は神奈川の83万人、3位は大阪の79万人、4位は愛知の75万人、5位は埼玉の66万人という結果となっています。
そして、都道府県別給与ランキングも、1位は東京都で年収550万円、2位は大阪府で472万円、3位は神奈川県・愛知県で432万円という結果が算出されています。
食品、建材、家電など業種別のトラックドライバー求人
トラックドライバーの仕事内容はさまざま。たとえば、食品配送ドライバーの場合は、手作業も多く比較的若い方が活躍しやすい環境となっています。それに比べ、自動車部品輸送ドライバーの場合はフォークリフトでの積み降ろしが基本であるため、体力的な負担はかなり少なめ。中高年や女性でも活躍しやすいですよ。
大型トラックドライバーにおすすめの求人サイト一覧
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