
近年、よく耳にする「AI」というワード。スマホの音声アシスタント機能や、スマート家電など、私たちも生活の中で自然に使っている場面が増えてきたのではないでしょうか。
無意識的に操作できる利便性が、我々の生活の質を大きく向上させたことは間違いないでしょう。
ここまで、浸透してきた「AI」というシステム。最近はこれを運送業界にも取り入れようとする動きが始まってるのをご存じですか?
今回は労働環境の見直しが要される「運送業界」に「AI」の要素が加わると、どんな効果があるのかをご紹介していきます。
今、運送業界が直面している課題って?
・慢性的な人手不足
・労働時間の長さ
・デジタル化の遅れ など
様々な要因が考えられますが、運送業界にとって早急に対応しなければいけない課題の1つに違いありません。
では、これらの課題がなぜ生じるのか詳しく見ていきましょう。
人手不足
皆さんは、ドライバーの平均年齢をご存じでしょうか?実は、40代後半から50代と他の職業より高くなっています。業界全体の高齢化が進み、若年層のドライバーが非常に少ないというのが運送業界の実情といえます。
では、なぜ特に若年層が少ないのか。そこにはやはり、「仕事がキツいのに給料が見合っていなさそう」「ドライバーは家に帰れなさそう」など、ネガティブなイメージを持っている人が多いという課題があります。特に将来の選択肢が多くある若年層にとって、ドライバーは魅力的な仕事になりにくいのかもしれません。
労働の長時間化
「ドライバーは長距離で車中泊は当たり前」「残業が多くて大変」などという印象を持つ方も多いのでは?確かに、一昔前はそんな働き方も多く見られました。この状況を改善しようと、2024年に労働時間を短縮するための法改正が行われたものの、それがドライバー離れを起こす「2024年問題」となってしまいました。
では、なぜドライバーの仕事は、長時間化してしまうのか。1つの要因として考えられるのは、トラックの積み降ろし作業時に発生する待ち時間です。
荷待ち時間が発生する理由としては、
・荷主や物流施設の都合
・トラックの列待ち
・荷物準備の遅延
・時間指定による調整 などがあげられます。
デジタル化の遅れ
運送会社では、部門ごとにシステムがバラバラだったり、情報の一元管理が困難だったりすることも少なくありません。前述したとおり、業界の高齢化が進んでいるため、ITやデジタルに精通した人材が不足しているという状況は、ほとんどの運送会社に当てはまるものでしょう。現場にはITツールに不慣れな従業員が多いため、デジタル化のためにシステムを導入しても、上手く活用されないという課題もあります。
運送業界にAIを取り入れるとどうなる?
さて、ここまで運送業界の課題についてご紹介してきましたが、このような課題を解決するために、実際運送業界の現場で、AIを活用した例を見ていきましょう。
運送業界全体でのAI活用例
自動運転技術の推進
T2株式会社(東京都千代田区)は2025年7月1日、自動運転トラックで関東~関西幹線輸送の商用運行を開始しました。自動運転トラックでの幹線輸送の事業化は国内初となります。
今回は、ドライバーが乗車したうえでハンドルから手を放すという「レベル2」の自動運転トラックを用いました。2027年にはドライバーの乗車を必要としない「レベル4」による幹線輸送の実現を目指していく予定になっています。
こうした自動運転技術を取り入れることで、高速道路での安定した走行により、渋滞や遅延を回避し、輸送時間を短縮することができます。また、今までドライバーを悩ませていた長時間労働を自動運転トラックが担うことで、24時間連続運行が可能に。運送業界の人手不足に対応しつつ、ドライバーの負担を大幅に軽減することができます。
参考:https://weekly-net.co.jp/news/187583/
倉庫内の自動化・効率化
Amazonでは、自動搬送車を使用していましたが、荷物のサイズや重量が一定でないためにロボットの動きが不安定になり、ロボット同士がぶつかるという課題があったそうです。そこで、保管棚ごと移動する「自動棚搬送ロボット」を開発して導入。結果、ロボットの動きが安定し、作業員は移動せずに運ばれてきた棚から必要な荷物を取り出すだけで作業できるように。見事、効率化を実現した例ですね。
参考:https://alt.ai/aiprojects/blog/gpt_blog-2594/
個人へのAI活用例
配送ルートの最適化システム
タキザキロジスティクス株式会社では、4人がかりで配送計画を作成しても、かなりの時間を要していました。属人化も課題で、誰でも配車業務ができる体制にしたいと悩んでいたそうです。そこで、オプティマインドが開発した「Loogia」を導入。Loogiaは、AIを用いて高精度な配車計画・配送ルートを作成できるシステムです。導入後は、Loogiaが50~60件の配送コースを数分で作成できるようになったため、配車の計算時間短縮・負担軽減の実現に成功しました。今後も配車計画の見直しを行い、より最適な配送を目指して検証を繰り返しているそうです。
参考:https://alt.ai/aiprojects/blog/gpt_blog-2594/
ドライバーの健康安全管理
ヤサカ観光バス株式会社(京都府京都市)は、株式会社アドダイスが提供するスマートウオッチ「ResQ Band」と、健康見守りAI「ResQ AI」を活用。「ResQ AI」は、運送事業者におけるドライバー、作業員等の安全を支援するためのもの。スマートウォッチから取得したバイタルデータを「ResQ AI」で解析し、不調・異常がある場合は、本人と管理者にアラートで知らせてくれるという仕組みです。居眠り防止や夏場の熱中症防止などに活用されています。また、「眠気」「こころの疲れ」「落ち込み」の度合もスコア化できるため、ドライバーの持続的な健康管理体制の構築にも貢献していくことが見込まれています。
参考:https://www.irric.co.jp/topics/press/2024/0229.php
まとめ
運送業界の労働環境を改善していくためにAIの活用が有効
今回はAIを用いることで、運送業界が抱えている課題を改善する事例のご紹介をしました。AIは「24時間作業ができる」「工数の大幅な削減」など、業務効率化や従業員の負担軽減を叶えるツールです。今後、もっと普及が進めば、運送業界が頭を悩ませている「人手不足」「労働時間の長さ」「デジタル化の遅れ」などは、大幅に改善され、より働きやすい業界になっていくでしょう。
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