物流業界でよく見る単語5選!基本用語をわかりやすく解説~物の繋がり編~

物流会社のホームページなどでよく見る専門用語。中にはあまり聞きなれない言葉もあるかもしれません。

様々な流通が行われている、物流拠点である物流センターでは、新しいシステムや新しい概念が導入され、日々効率化が進められています。今回は、実際に仕事で物流に関わっている方・これから物流業界への転職を考えている方に向けて、物流拠点で使われているシステムや物流拠点にまつわる概念をご紹介します。

物流拠点の専門用語をおさえよう

物流業界でも業務の効率化や自然環境への配慮など、労働環境の改善が進められています。そんな物流業界の動きや物流拠点のシステムを表す専門用語をおさえておくと、物流業界に転職するときや求人を探すときに役立つかもしれません。

【1】インランドデポ

内陸部にある輸出入の『取扱拠点』のことです。

通常、海上コンテナの保管や積み替え、通関手続きなどは港で行います。
しかしインランドデポでは、それらの作業を内陸部の荷送人や荷受人の近くで行えるため、
内陸部での海上コンテナ輸送の効率化を実現可能!
そのため「内陸貿易港」「内陸通関基地」とも呼ばれています。

また、港とインランドデポの間の輸送の関税が留保され、
『保税運送』扱いになることで、消費税が掛からないエリアでの輸送と同じ扱いになれば、
輸送費用部分についての消費税が免税扱いになるというメリットもあります。

【2】エコポート

「環境と共生する港湾」を今後の港湾環境対策の基本的な考え方として、
1994年3月に運輸省(現在の国土交通省)が定め、社名や製品名にも起用されています。

~ 基本理念 ~
・将来の世代への豊かな港湾環境の継承
・自然環境との共生
・快適な港湾環境の創出

~ 港づくりの概念 ~
・自然に溶け込み、生物に優しい港
・積極的に良好な自然環境を創造する港
・快適性が高く、人々にうるおいと安らぎを与える港
・環境に与える負荷が少なく、環境管理の行き届いた港
これらの実現を目指します。

エコポート実現のために、干潟・防波堤・護岸・緑地・景観などの整備を行うと共に、
海面水位のモニタリングや油流出事故対策などの取り組みも行うほか、
環境への負荷が少なく、エネルギー効率の高い『国内海上輸送利用』の促進も行うなど、
自然環境への配慮にまつわる様々な取り組みを進めています。

【3】クロスドッキング

多品種の商品を荷受し、直ちに仕分けして発送する、物流拠点の仕組みのことです。

従来、物流センターは大量の在庫を持ち、その大量在庫で需要に対応することが主な役割でしたが、
クロスドッキングでは在庫保管することなく、そのまま仕分けして出荷するため、
拠点機能としては『荷の保管』ではなく、『荷の積み替え』が中心となっています。

~ クロスドッキングのメリット ~
物流センターの荷受け場(ドック)から出荷場(ドック)へ
商品をクロスするように仕分け・通過させるため、
『コスト削減』『倉庫スペースの削減』などに繋がり、業務の効率化にもなります。

【4】サプライチェーン・マネジメント

原材料の調達から、製品を消費者に届けるところまでの生産・流通プロセスにおいて、
モノの流れ・お金の流れを情報の流れと結びつけ、関わる企業全体で情報を共有・連携し、
全体の最適化を図る経営手法のことです。

納期短縮や在庫削減など、流通経路における無駄の削減ができるほか、
品質・収益性・顧客満足度を高めるのが狙い。

全体のバランスを見て連携管理することが重要で、
必要なモノを、必要なときに、必要なだけ供給する「ジャスト・イン・タイム」が
サプライチェーン・マネジメントの基本です。

~ サプライチェーン協議会(SCC)によるサプライチェーンマネジメントの定義 ~
価値提供活動の初めから終わりまで、
つまり原材料の供給者から最終需要者に至る全過程の個々の業務プロセスを、
1つのビジネスプロセスとして捉え直し、
企業や組織の壁を越えてプロセスの全体最適化を継続的に行い、
製品・サービスの顧客付加価値を高め、企業に高収益をもたらす戦略的な経営管理手法

【5】センターフィー

主に小売業者が運営する物流センターの利用料のことです。
「フィー」とは利用料のことで、支払うのは物流センターを利用する卸売業者やメーカー。

卸売業者、メーカーは物流センターに荷物を配送し、
小売業側は荷物を一括管理して各店舗に配送します。

荷物の仕分けなどの手間も小売業者が負担し、
卸売業者やメーカーは店ごとに納品する必要がなく、共同配送も可能となります。

卸売業者、メーカーにとっては『業務負担の軽減』や『コスト削減』などのメリットがあり、
小売業側も店舗ごとに納品されると荷受検品が大変になるので、
一括管理できることはメリットになります。

ただし、小売業側がセンターフィーの算出根拠を明らかにせず、
相場よりも高い額を請求するなどの問題も起こりえるため、卸売業者やメーカーは注意が必要です。

まとめ

今回は物の繋がり編として、5つ単語を解説しました。運送会社のホームページや求人情報などでも目にすることが多いと思いますので、これからドライバーに挑戦してみたい方は、ぜひ覚えてみてはいかがでしょうか。