トラックドライバーが腰痛になりやすい理由は?腰を痛める前の対策

現役トラック運転手さん!腰痛は職業病の一種だから…と諦めていませんか?
今回は、腰痛になってしまう要因や、効果的な腰痛予防法、労災の対象になるか、までまとめてご紹介!この機会に、自分の健康について見直してみてください^^

トラックドライバーはなぜ腰痛になりやすい?

そもそもドライバー職は、なぜ腰痛になりやすいのでしょうか?まずは、腰痛になってしまう要因から探っていきましょう!

長時間同じ姿勢で運転をする

運転時はどうしても、長時間同じ姿勢になりやすいですよね。実はこの運転姿勢が腰痛の要因の1つ。
長時間同じ姿勢を続けていると、筋肉が緊張したままになってしまいます。
筋肉がずっと緊張していると、身体への負荷がかかったり、血行不良になったり…
こんな要因で、腰痛になってしまうんです。
長時間運転をする、長距離ドライバーさんなどは、運転中に腰のあたりに疲労感を感じることも多いのではないでしょうか。

さらに、意外かもしれませんが、ストレスも腰痛の大きな要因!
ストレスがかかると、緊張状態をつくる”交感神経”の働きが高まり、筋肉が緊張したままに…
長時間同じ姿勢を続けた場合と同じように、腰痛の原因になってしまうんです。
仕事中に意識できるストレス対策は『適度な休憩』
長時間の運転で疲れがたまると、ストレスや腰痛の要因になるだけではなく、事故の危険性も高まります。
コンビニに寄って休憩したり、仮眠をとったり、程よく肩の力を抜いて働くのがおすすめです◎

重い荷物を運ぶ

重たい荷物を積み降ろす動作や、荷物を運んでいる最中の姿勢は、腰に負荷がかかりやすい!
特に腰痛の要因になると言われているのは、以下の2つの動作。

  1. 前かがみの動作
  2. 持ち上げる動作

前かがみの姿勢になると、上半身の重みを腰だけで支えることに…
背骨の骨と骨の間にある「椎間板」の負荷も増えるので、「ぎっくり腰」「椎間板ヘルニア」が引き起こされるリスクも。
ここからさらに重いものを持ち上げると、背中の筋肉がギュッと収縮して、椎間板をつぶすような力がかかり、腰の痛みに繋がってしまします。

特に引っ越しを担当するドライバーさんは、手作業で重たい荷物を積み降ろすことが多いので、腰痛の危険性が高いです!
その他にも、手積み手降ろしの仕事を担当しているトラック運転手さんは要注意。
「ハリ胸」「プリけつ」の2つを意識すると、痛みを感じづらくなりますよ!ぜひ参考サイトも見てみてください♪

【参考】さよなら腰痛 重いものを持ち上げるコツ(NHK健康チャンネル)

トラックドライバーの腰痛は労災保険の対象になる?

「もうすでに腰が痛いんだけど…」「仕事が原因で、ぎっくり腰・椎間板ヘルニアになってしまった!」
そんな運転手さんもいるかもしれません。すでに腰痛になってしまっている場合、労災認定はおりるのか?
周りになかなか聞きづらい、そんなポイントについても解説していきます◎

腰痛の原因が業務によるものと認められたら、労災になる!

労災認定されると、治療費の支給だけでなく、休業補償や傷病補償、障害補償などの対象になります。
とはいえ、どの状態だと『労災』になるのか、気になりますよね。
実は、国が認めている腰痛の労災の基準は2つ!

  1. 災害性の原因による腰痛
    ⇒荷物の積み降ろしなど、仕事中の作業によって突発的に起こった場合
  2. 災害性の原因によらない腰痛
    ⇒毎日の運転時の負荷が積み重なるなど、長期間の作業によって起こった場合

つまり、仕事によって起きた腰痛は労災認定がおりる可能性が高いです。
また、重たいものの積み降ろしがあるトラックドライバーさんだけではなく、長期間運転をしているタクシードライバーさんも、②に該当して労災の対象になる場合があるので、一度確認してみてもいいかもしれません。

【参考】腰痛の労災認定(厚生労働省)

トラックドライバーが意識したい腰痛対策

腰痛は、もはや運転手さんの職業病の一種…。とはいえ、できるだけ痛みや疲れを減らして、快適に運転したいですよね。
そこで、ここからは腰痛になりにくいコツをご紹介します!

運転中の姿勢を工夫する

先ほどの「重い荷物を運ぶ」の部分でもお伝えしましたが、前かがみの姿勢は腰に負荷がかかりやすいです。
そのため、前のめりにならないように、首と背筋を伸ばした運転姿勢を意識することが、腰痛予防に効果的★
普段の生活から猫背になりやすいと感じている方は、この機会に自分の運転姿勢を見直してみては?

また、いい姿勢を保つには、背もたれの角度やシートの位置など、車内の調整もポイント!
特に1人1台専用の車両がある場合は、車内を自分が快適な仕様に変えてみることも、おすすめです◎

腰痛対策用のアイテムを使う

「自分専用の車両じゃないし、背もたれやシートなどは毎回調整しないといけないから面倒…」
そんな運転手さんには、簡単に導入できるグッズの購入がおすすめ!
腰に当てる、車用クッションの購入を検討してみるのはいかがでしょうか?

車用クッションは、運転時に負担がかかりがちな腰・背中・お尻・太ももなどの負担を軽減する効果があります◎
また、商品によっては、背骨にフィットしてくれたり、骨盤を支えてくれたりするものも!
背中全体を支えるものから、スキマに挟んで使用するものまで、サイズや価格帯もさまざま。
下記の4つのポイントを参考に、自分に合った商品を選んでみてくださいね★

  1. クッションの形状
    ⇒座布団タイプ/骨盤や背中を支えてくれるタイプ/シートクッションなど
  2. クッションの固定方法
    ⇒ボタンを使う”ワンタッチタイプ”/ひもとリングでしっかりと固定する”リングタイプ”
  3. 反発性
    ⇒座る人の体系にフィットしやすい”低反発タイプ”/猫背が気になる人におすすめ◎姿勢矯正用の”高反発タイプ”
  4. 通気性・清潔さ
    ⇒通気性のいいメッシュ素材/洗濯可能なものなど

車用クッションは、腰椎の英語名「ランバー(lumbar)」から、『ランバーサポート』と呼ばれていることも。
また、車両によっては元からランバーサポート機能を搭載している場合もあるので、一度チェックしてみるのもおすすめです◎

【参考】腰痛対策に!プロが監修したおすすめ車用クッション21選【2023年版】

定期的にストレッチや腰のケアをする

「グッズもいいけど、毎回持ち歩くのはな~」「できるだけお金をかけずに腰痛予防したい!」
それなら、簡単にできるストレッチを取り入れるのはどうでしょうか?
次は、腰痛予防に効果的な、部位別のストレッチをご紹介します!

①腸腰筋のストレッチ
腸腰筋とは、腰をお腹側から支えてくれている筋肉。
腰痛もちの人は、腸腰筋が硬くなっていることが多いので、緩めていきましょう。

1.足を前後に大きく開いて立ちます。手を腰に当てておきます。
2.右ひざを深く曲げ、上半身を下げて、股関節を伸ばします。この姿勢を20~30秒キープ。左右3~4回行います。
②太ももの後ろを伸ばすストレッチ
太ももの後ろの筋肉が固まると、骨盤が引っ張られて、背骨のバランスが崩れ、腰痛に…
このストレッチは、筋肉をゆるめて関節の動きをよくできるので、腰痛予防に効果的です◎

1.足を肩幅より大きく広げます。
2.左のひざを曲げ、右足の太ももの後ろを伸ばします。
この姿勢を20~30秒キープしましょう。左右の足を入れ替えて、これを3~4回行います。
③胸のストレッチ
崩れてしまった背骨のS字カーブを直すのに、効果的!
猫背を矯正し、正しい姿勢を作るストレッチです。

1.足を肩幅に開いて立ち、両腕を背中に回して左右の手を握ります。
2.顔を上に向け、ひじを伸ばして胸を張りましょう。両腕を握ったまま、左右の肩甲骨を寄せるイメージで、体からできるだけ離して、後方、斜め下の方向に押し下げます。このとき、胸の左右が伸びるのを意識しましょう。
※首を後ろに反らすと痛い方は、顔を正面に向けたまま行ってもかまいません。
3.10秒~30秒キープしたら、力を抜いて1の姿勢に戻ります。これを3回程度くり返します。

ご紹介したストレッチは、立ってできるものばかりなので、休憩中にピッタリ!
あまり場所を選ばずに試せるので、コンビニに寄って休憩したタイミングや、待機時間など、仕事中の息抜きとして試してみてください◎

【参考】今日からできる、腰痛を予防するストレッチ

トラックドライバーの腰痛予防まとめ

今回、ご紹介した腰痛予防に効果的な方法は、大きく分けて3種類!

  1. 運転時や、重たい荷物を運ぶ時の姿勢に気を付ける
  2. 車用クッションなど、腰痛対策用グッズの利用
  3. 定期的にストレッチをする

また、急性の腰痛の場合はコルセットの利用も効果的です。
コルセットには『可動性を制限する効果』『痛みの緩和効果』『支えられている安心感』という3つの効果があるので、「腰を痛めてしまったけど、どうしても仕事を休めない…」という場合に、役立てることができます。
ただし、コルセットを長期的に使うと、姿勢を保つ力がコルセット任せになり、筋力が低下してしまう恐れも!
あくまで一時的な対処法として、参考にしてみてくださいね。

1番効果的な腰痛予防は、長時間同じ姿勢をとらない重たい荷物を運ばない、という根本的な要因の解決!
今の仕事のままだと根本的な解決はできないようなら、転職を考えてみるのも1つのやり方です。
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