大型特殊自動車の種類や具体的な仕事例・働くメリットを解説

「大型特殊自動車って具体的にどんな車両?」

「大型特殊自動車ってどんな仕事があるの?」

大型特殊自動車の仕事に興味があり、転職を検討している人の中には、上記のような疑問を抱いている人もいるでしょう。

本記事では、大型特殊自動車の仕事に興味を持っている方に、基礎知識から具体的な仕事内容などをわかりやすく解説します。

合わせて、大型特殊自動車ドライバーになるメリットも紹介します。

本記事を読めば、大型特殊自動車ドライバーがどんな仕事なのかを理解し、自分に合っている仕事なのかも明確にできるでしょう。

大型特殊自動車とは?

大型特殊自動車とは
全長12.0m以下
全幅2.5m以下
全高3.8m以下

大型特殊自動車とは、道路運送車両法に基づいて全長12.0m以下、全幅2.5m以下、全高3.8m以下の車両を指します。

大型特殊自動車は、冬場の道路の除雪作業や道路舗装作業などの特殊な作業を行うために設計されたもので、小型特殊自動車に分類されない大きな車両が該当します。

私たちの身の回りで見かけるショベルローダー、除雪車、トラクターなどが代表的な例です。

一般的な自動車とは異なり、特殊な運転技術や知識が必要となるため、大型特殊自動車を扱うには、「大型特殊免許」という特別な免許が必要です。

小型特殊自動車との違い

小型特殊自動車とは
全長4.7m以下
全幅1.7m以下
全高2.0m以下

小型特殊自動車は、全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.0m以下(ヘッドガード等を備えた場合は2.8m以下)と、車両の大きさに違いがあります。

また、小型特殊自動車は最高速度が15km/h以下と定められており、一般道での使用が制限される場合があります。

しかし、トラクターのように、大きさによっては道路運送車両法では小型特殊自動車と分類されても、速度制限によって道路交通法では大型特殊自動車に分類される場合もあります。

そのため、車両の種類や用途によって、法的な区分が異なる場合がある点に注意しましょう。

大型特殊免許があると乗れる車両の種類

大型特殊免許があると乗れる車両は、下記の通りです。

  • 除雪車
  • フォークリフト
  • ラフタークレーン
  • ショベルローダー
  • トラクター

次項で各車両について解説するので、ぜひ参考にしてください。

除雪車

除雪車は、雪かき用のブレードやローターを装備した車両で、冬場に道路や駐車場の雪を掻き寄せたり、粉砕したりして、安全な走行環境を確保するために使用されます。

雪が降る地域で需要が高く、道路の安全を確保するために不可欠な車両です。

フォークリフト

フォークリフトは、パレットに載せた荷物を持ち上げたり、移動させたりするための車両です。

倉庫や工場での荷役作業だけでなく、建設現場での資材運搬など、幅広い場所で利用されています。

フォークリフトには、カウンター式やリーチ式など様々な種類があり、作業内容に合わせて最適な機種が選ばれます。

ラフタークレーン

ラフタークレーンは、クレーン機能と自走機能を兼ね備えた車両で、重い物を持ち上げたり、移動させたりするために使用されます。

特に、建設現場での鉄骨の組み立てや、工場内の機械の設置など、高所作業や重量物の運搬に欠かせない車両です。

ショベルローダー

ショベルローダーは、バケットと呼ばれるアタッチメントで土砂を掘削したり、積み上げたりするための車両です。

建設現場での土木工事、農業での土壌改良など、土を扱う作業で主に使用されます。

ショベルローダーは、アタッチメントを取り替えて、さまざまな作業に対応できるのも特徴です。

トラクター

トラクターは、農業用の大型車両で、耕うん、運搬、作業機牽引など、さまざまな作業を行います。

農業従事者にとっては、畑の耕作や作業機を運ぶために必須の車両であり、農業機械の代表格です。

大型特殊自動車の具体的な仕事例

大型特殊自動車の具体的な仕事例は、下記の通りです。

  • フォークリフトオペレーター
  • ラフタークレーンオペレーター
  • 農業従事者
  • 除雪作業員

次項で各仕事について解説するので、ぜひ参考にしてください。

フォークリフトオペレーター

フォークリフトオペレーターは、フォークリフトを操作して、パレットに載せられた荷物を運搬する仕事です。

主な仕事内容は、下記の通りです。

  • 倉庫内での荷物の入出庫作業
  • 工場内での部品や製品の運搬
  • 建設現場での資材運搬
  • トラックへの積み込み・積み卸し作業

フォークリフトは、さまざまな場所で利用されるため、フォークリフトオペレーターの仕事は安定して需要があります。

ラフタークレーンオペレーター

ラフタークレーンオペレーターは、ラフタークレーンを操作して、重い物を吊り上げたり移動させたりする仕事です。

主な仕事内容は、下記の通りです。

  • 建設現場での鉄骨の組み立て
  • 工場内にて機械の設置
  • 高所での作業(看板取り付けなど)
  • 重量物の運搬

ラフタークレーンは、高度な操作技術が求められるため、専門知識と経験が必要とされる場合が多いです。

農業従事者

農業従事者は、畑の耕作、収穫、運搬などで、農耕車と言われるトラクターやコンバインなどの大型特殊自動車を利用します。

主な仕事内容は、下記の通りです。

  • 畑を耕し、種をまく
  • 稲や麦を収穫する
  • 収穫した作物を集積場や倉庫へ運搬する
  • 家畜の飼料を運搬する

農業では、トラクターやコンバインなどの農耕車の運転が必須になるので、大型特殊免許があれば活かせます。

除雪作業員

除雪作業員は、除雪車で道路や駐車場の雪を除去する仕事で、大型特殊自動車の除雪車を運転します。

主な仕事内容は、下記の通りです。

  • 道路に積もった雪をブレードで掻き寄せる
  • ローターで雪を粉砕し、路面を露出させる
  • 駐車場の雪を片付け、車両の通行を確保する

除雪作業員は、交通の安全確保のために欠かせない存在であり、特に雪が降る地域では需要が高い仕事です。

大型特殊自動車ドライバーになる3つのメリット

大型特殊自動車ドライバーになるメリットは、下記の3つです。

  • 需要が高く活躍の場が多い
  • 高収入に期待できる
  • 専門的なスキルや資格を習得できる

次項で各メリットについて解説するので、ぜひ参考にしてください。

需要が高く活躍の場が多い

大型特殊自動車は、道路や建物の建設、物流など、社会の基盤となるインフラ整備に欠かせない存在です。

そのため、大型特殊自動車を運転できる人材は常に求められており、活躍の場が非常に広いです。

具体的には、下記のような現場で活用できます。

  • クレーンやショベルカーなどを利用するビルや道路の建設現場
  • フォークリフトを利用する工場や倉庫
  • トラクターやコンバインなどを利用する農作業
  • 除雪車を利用する公共事業

上記のように、大型特殊自動車はさまざまな活躍の場が用意されているため、仕事に困る心配が少なく、雇用の安定に期待できます。

高収入に期待できる

大型特殊自動車の運転は、高度な技術と責任が求められるため、一般的なドライバーよりも高収入に期待できます。

また、大型特殊免許を持っている人は比較的少なく、免許の希少性も高いのも要因の1つです。

建設現場や重量物運搬の現場では特に高収入が期待でき、経験を積むことでさらに収入が増えるチャンスがあります。

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専門的なスキルや資格を習得できる

大型特殊自動車ドライバーになると、専門的なスキルや資格を習得できるのもメリットです。

例えば、大型特殊車両は、一般的な自動車とは異なる運転感覚や操作方法を必要とするため、運転技術が向上します。

また、クレーンやショベルカーなど、さまざまな機械を操作することで、機械操作の専門的なスキルを習得できます。

さらに、現場で経験を積めば、現場監督や施工管理者といった管理職へのキャリアアップにもつながるでしょう。

大型特殊自動車を運転するためには「大型特殊免許」の取得が必要

ショベルカーやクレーン車、フォークリフトなど、さまざまな大型特殊自動車を運転するためには、必ず「大型特殊免許」を取得する必要があります。

大型特殊自動車は、一般的な自動車とは異なり、構造や操作方法が複雑で、運転には高度な技術と知識が必要です。

そのため、安全に運転するためには、国が定めた厳しい基準をクリアし、大型特殊免許を取得することが法律で義務付けられています。

大型特殊免許の取得方法や費用など、より詳しい情報を知りたい方は、「大型特殊免許で運転できる車両や取得方法・費用について解説」をご覧ください。

大型特殊自動車に関するよくある質問

大型特殊自動車に関するよくある質問は、下記の通りです。

  • 大型特殊免許の取得費用と期間は?
  • 大型特殊自動車の最高速度は?
  • 大型特殊自動車のナンバーは?
  • 大型特殊自動車は高速道路を走行できる?
  • 大型特殊自動車ドライバーの年収はどれくらい?

次項で各質問に回答するので、ぜひ参考にしてください。

大型特殊免許の取得費用と期間は?

大型特殊免許を取得する費用と期間は、下記の通りです。

取得方法費用期間
教習所(普通自動車免許ありの場合)80,000円〜90,000円技能教習:6時間
教習所(普通自動車免許なしの場合)150,000円〜200,000円学科教習:22時間技能教習:12時間
一発試験6,000円〜1日

上記の費用や期間は、あくまで目安です。

合宿への参加や所有している免許の種類などによって費用や期間は異なります。

なお、一発試験の場合、最短1日で大型特殊免許を取得できますが、不合格になった際は再度受験費用が発生し、期間も延びるので注意してください。

大型特殊自動車の最高速度は?

大型特殊自動車の最高(法定)速度は、下記の通りです。

道路区分最高(法定)速度
一般道60km/h
高速道路80km/h

参照元:警察庁

ただし、車両の種類や道路状況によっては、速度制限が異なる場合があります。

大型特殊自動車のナンバーは?

大型特殊自動車のナンバーは、「9ナンバー」です。

9ナンバーは、特定の用途に使われる特殊車両にのみ適用される番号です。

大型特殊自動車は高速道路を走行できる?

原則として、下記の車両は高速道路を走行できません。

  • 農耕用のトラクターやコンバインなど、50km/h以上のスピードが出せない車両
  • 幅2.5m、高さ4.1m、長さ12m、総重量25tを超える大型特殊自動車

参照元:国土交通省JAF

ただし、やむを得ない理由で運転が必要な場合は、国土交通省の許可を得ることで、高速道路を走行できます。

大型特殊自動車ドライバーの年収はどれくらい?

大型特殊自動車ドライバーの平均年収は、約450万円と言われています。

しかし、高いビルで作業をするクレーンオペレーターなど、高度な技術が求められる職種では、年収1,000万円を超える場合もあります。

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大型特殊自動車の仕事は、社会のインフラを支える重要な役割を担っており、やりがいのある仕事です。

また、高収入が期待できたり、専門的なスキルを習得できたりと、多くのメリットがあります。

本記事を参考に、ぜひ大型特殊自動車ドライバーを検討してみてください。

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