大型トラックドライバーが「きつい」と言われる理由|やりがいや魅力

大型トラックドライバーと聞くと「きつそう」「大変そう」というイメージが一般的になっています。仕事内容によって違いはありますが実際にラクな仕事ではありません。それでも魅力的な部分もあります。今回は良いことも悪いこともその特徴を解説していきます。大型トラックドライバーへの転職を考えている人は是非チェックしてみてください。

大型トラックドライバーがきついと言われる理由とは?

大型トラックドライバーはトラックの中でも花形と言われ、「大型に乗りたい」とトラックドライバーを目指す方もいます。しかし、「体力的な負担が大きい」「不規則な生活になる」などデメリットを気にしてドライバー職を諦めたり、家族から反対されてして別の職業に就いたりすることもあります。まずはなぜ大型トラックドライバーはきついと言われるのか、代表的なデメリットから紹介します。実はデメリットに感じることでも人によってはメリットになることもあるんです。

家で過ごす時間が短い

長距離トラックドライバーの場合、1日で帰れない距離を走るため運行途中で休憩や睡眠を取ることになります。勤務時間外でも家に帰らないため休みの日以外は自宅で過ごす時間が少なくなります。睡眠の場所については、車中泊をしたり宿泊施設を利用したり、運送会社やドライバーによって様々です。車中泊の場合は手当てを支給する会社もあるため、収入重視の方にはメリットになることもあります。車内の仮眠スペースを自分好みにカスタマイズするなど、少しでも社内設備を充実させてリラックスできるように工夫しているドライバーも多いようです。運送会社によっては自社で仮眠所を設けていたり、経費でビジネスホテル等を利用させたりするところもあります。シャワーやベッドなどを完備していることが多く、広い個室でしっかり休めるように配慮しているところもあります。

生活が不規則になりやすい

長距離を運転する場合、休憩を取得するタイミング・場所・方法はドライバーが自分で決めることが多くなります。例えば土日祝など一般的に休日となる人が多い日は道路が渋滞しやすくなるため、出勤時間を早めたり、深夜に出発してある程度走ってからから睡眠をとったりするなどドライバー自身で調整することもあります。近距離のルート配送などとは違い、毎日同じタイミングで食事や休憩などを取ることは難しいでしょう。一方で裁量大きく働けるから長距離ドライバーをやっている、という人も多くいます。生活リズムが多少不規則になっても、自由な時間の使い方ができることはメリットになるようです。

体力が求められる

長時間運転には体力が必要です。日常で運転することがある方はどれくらいの時間、どれくらいの距離を運転したら疲れるか思い返してみてください。長距離ドライバーは全国を自分の運転で移動します。そして業務は運転だけではなく、多くの場合は荷物の積み込みや荷降ろし作業が発生します。手積み手降ろしなど力作業になることもあり、荷物を多く載せられる大型トラックでは相当な力作業になります。慣れてくれば積み方や降ろし方のコツを掴んで負担を減らせるようになりますし、フォークリフトを使ってそもそも力作業にならない場合もあります。それでも「体力仕事」というイメージが強く、女性ドライバーが増えてはきましたがまだまだ男性の方が圧倒的に多いのが現状です。

大型トラックドライバーの魅力

大型トラックドライバーはラクな仕事ではありませんが、もちろん良いこともたくさんあります。最近では女性の大型トラックドライバーも増えてきているようです。ここからは大型トラックドライバーのおすすめポイントをいくつが紹介していきます。特にドライバーを経験した人からは、もう他の業界には行けないかもと思う人もいるとかいないとか。

小型や中型のトラックドライバーよりも給料が高い

大型トラックドライバーの平均年収は約477万円であり、小型トラック中型トラックドライバーの平均年収約437万円と比べると大型トラックドライバーの方が高収入であることが分かります。トラックドライバーの収入は歩合制であることが多く、総重量の許容範囲が大きい大型トラックはより多くの荷物を運べるため収入は多くなります。また、荷物の種類によっても歩合の金額が異なることもあるので最初に確認しておくと良いでしょう。長距離運転になると当然勤務時間は長くなります。待機時間次第ではさらに拘束時間が延びることになりますし、残業代で収入アップを目指す人も少なくないようです。また、企業によってはしっかりと安定した給与を受け取ることも可能です。

人間関係のトラブルが少ない

トラックドライバーのメイン業務は言うまでもなく「運転」です。業務時間の大半はトラック内で過ごすため、他の人と接する時間は短くなり、職場の人間関係などのストレスを感じることは少なくなると言えます。そのため元々は別業界に就職した人でも、周囲の人間関係が原因で運送業界に入ってくることも多くあります。特に長距離ドライバーは近距離や中距離配送とは違い、一度走り出したらある程度の距離を走ることになるのでまさに「ひとり時間」を満喫できるのです。

トラックで輸送先の各地へ行ける

運転の目的地は全国各地が対象になることが多く、特にプライベートでも行ったことのない場所に行くときはちょっとした旅行気分も味わえます。大型トラックで観光地を巡るのは難しいかもしれませんが、休憩時間や空き時間をうまく使ってご当地グルメを食べたりお土産を購入したりすることは可能です。また、運転が好きな人なら「初めての道を走る」ことも楽しみの一つになるでしょう。

大型トラックドライバーの労働環境

過度な労働は健康上のリスクが高まりますし、どれだけ運転技術の高い人でも事故を起こしてしまう可能性も増えてしまいます。そのため運送業界でも働き方を見直す声は高まってきています。しかしながら、人手不足によりドライバー1人の負担が大きいことや、荷主からプレッシャーをかけられ自主的に拘束時間を延長して対応してしまうことがあるのも実態です。運送会社だけでなく荷主や行政等も一体となって労働環境の整備が進められています。

労働環境や労組条件の改善が進められている

どの業界も人手不足だと言われていますが、運送業界でもトラックドライバー不足は深刻な問題になっています。そこでトラックドライバーとして働く人材を確保し、育成するために国土交通省と厚生労働省が連携して、労働環境や労組条件の改善を進めています。中小企業では月60時間以上の残業については割増賃金率を引き上げるなどにより時間外労働の抑制したい考えです。運送業界全体で長時間労働の実態が見られており、運送業者だけでなく荷主や行政等も一体になって具体的な環境整備について協議する場を設置しています。

関連業務の効率化が進められている

大型トラックドライバーに関連する業務の効率化が進められています。例えば手続き書面の電子化、AIやICTによる荷物の自動運搬などによりドライバーの負担軽減や作業時間短縮などが行われています。関連業務の効率化については国土交通省が推進している動きなので、今後は物流業界全体に広がり労働環境が改善されることが期待されています。

まとめ

いかがだったでしょうか。大型トラックドライバーは確かにラクな仕事ではありませんがやりがいのある職種です。資格取得支援制度がある会社もあり、未経験の方も中でも挑戦できる環境になりつつあります。収入面は大きな魅力。小型や中型よりも月給が高いのはもちろん、ボーナスを含めた年収も高いので収入重視の方には選択肢の一つにしてもらいたいです。