物流業界でよく見る単語5選!基本用語をわかりやすく解説~業務用語編~

物流会社のホームページなどでよく見る専門用語。物流の業務では昔からよく使われている、基本中の基本と言える言葉も、初心者や未経験者にはすぐにはピンとこないことがあります。
業界では当たり前過ぎて今さら聞けないけど、そのままにしておくと話に置いていかれることもあり得ます。今回は、実際に仕事で物流に関わっている方・これから物流業界への転職を考えている方に向けて、業務でよく使われる基本的な用語をご紹介します。

物流拠点の専門用語をおさえよう

物流業界では、読んで何となく意味を推測できる専門用語もあれば、意味を推測できるものの、知っているとまでは言えない用語もあります。業界では当たり前過ぎて、多くの業界人が「皆が知っている前提」で話すような専門用語です。これをおさえておくと、物流業界に転職するときや求人を探すときに役立つかもしれません。

【1】上屋

保税地域にある、輸出貨物と輸入貨物の一時保管・荷さばきを行う施設のことで、「うわや」と読みます。保税地域とは、輸出または輸入したコンテナ貨物のうち、輸出許可や輸入許可を受ける前の貨物を保管しておくために指定された地域のことです。この上屋で貨物の分類・仕分け・検査・税関手続き・一時保管の一切を行います。
上屋は保管・貯蔵が目的の一般的な倉庫とは区別され、壁がなく、柱と屋根のみで造られているか、もしくは建物の一部のみに壁がある造りとなっています。
また、民間業者が整備・運営するものと、港湾管理者が行う公共上屋があり、上屋は港湾運送事業法、倉庫は倉庫業法に則って運営されます。

【2】荷主

輸送・保管などの物流業務の依頼主のことです。
細かく言うと、荷物の出し手が「発荷主」、受け取り手が「着荷主」です。
一般にはサプライチェーン、つまり原料や部品の調達から加工、製造、販売までの流れの中で川上に位置するメーカーや、川下の小売店が荷主になります。また、運送業務の元請会社が下請けの運送会社に運送業務を発注した場合、この元請会社も荷主となります。
いずれにしても、荷主は運送会社にとっては「お客様」です。
現在、物流・運送業界の労働環境の改善を進める取り組みが始まっていますが、物流会社の自助努力だけでは労働時間の短縮が進みません。荷主が運送会社と協力することで、取引環境の改善、長時間労働の改善が推進されると期待されています。

【3】テレコ

「入れ違い」「食い違い」「あべこべ」という意味があり、関西で一般的に使われている言葉です。物流業界では、出荷先をあべこべに間違えてしまうことを指す言葉になっています。
つまり、A社に送る荷物をB社に、B社に送る荷物をA社にというように、荷物を「あべこべ」に送ってしまった場合が「テレコ出荷」と呼ばれます。送り状の貼り間違いなどによって起こります。
物流現場以外でも物事の順番が入れ替わっている場合や、1つの物が互い違いに交互で繰り返される場面などで使われています。ちなみに、もともとは歌舞伎の用語で、「2つの筋書きを1つにまとめ、1幕おきに交互に展開していくこと」を指していました。

【4】発地

貨物がトラックで運ばれる場合は『倉庫』や『メーカー』などが発地で、航空機で運ばれる場合は『空港』が発地になります。陸上輸送の場合、発地ではトラックへの荷積みが行われ、荷積み作業の効率化・作業負担軽減のために行われているのが、パレットを活用した『パレタイズ化』です。
パレタイズとは、パレットにダンボールなどの荷を積んでいく作業のことで、機械化も進み、トラックドライバーの労働時間削減にも貢献していますが、機械化のための装置が高額であることや、機械の設置場所が無いこと、取り扱い荷物が機械化に向いていない場合があるなど、機械化推進には壁もあるのが現状です。パレットに限らず、無人フォークリフトや、人について回る『自動追従機能』を搭載した台車などもあり、いかにうまく活用して次世代の物流を作るかが、運送物流業のカギになっています。

【5】着地

貨物の到着地のことです。具体的には輸送手段によって変わり、倉庫、物流センター、港湾、空港などが着地になります。
トラックドライバーは着地に到着する時間を指定されることが多く、ほとんどが時間厳守です。そしてここで必ずと言っていいほど発生するのが『荷待ち』。指定時間に着いたにも関わらず、他社のトラックの荷下ろし作業がまだ終わっていないために発生する『待機』のこと。この荷待ちがトラックドライバーの長時間労働の要因になっていることから、荷の到着時間管理のシステム化も進められていますが、荷待ちが慣習化していることもあり、なかなか改善されないのが現状。
そのためトラックドライバーは荷待ち時間に仮眠を取ったり、スマホでゲームをしたり、または資格取得のための勉強をするなど、それぞれ工夫をして過ごしています。中には待機時間を充実させるために、タブレットやポケットWi-Fiを支給される会社も。ちなみにこの荷待ち時間も勤務時間に含まれるので、給与が発生します。

まとめ

今回は物流の業務用語編として、5つの単語を解説しました。運送会社のホームページや求人情報などでも目にするでしょうし、面接などでも耳にするかもしれませんので、これからドライバーになりたいという方はぜひ覚えてみてはいかがでしょうか。