タンクローリードライバーが「きつい」と感じるケースと1日の流れ

タンクローリーとは特殊用途自動車の一つです。「大型車両」に分類される車であるため基本的には大型免許が必要となります。

普通のトラックでは運ぶことが困難なガソリンや灯油等の石油類、化学薬品、食品、水などの荷物を運搬することが可能です。液体を運ぶ専用のトラックであるため、トラックの荷台部分に大きなタンクがあります。タンクはいくつかの部屋に分かれていて、様々な種類の液体を混ざることなく運搬できるのが特徴です。

ちなみに、「ローリー(Lorry)」とはイギリス英語でトラックという意味であり、「トラック(Truck)」はアメリカ英語です。

今回は、そんなタンクローリードライバーのつい紹介していきます。

タンクローリードライバーは何を運ぶ?

先ほども申し上げましたが、タンクローリーは水やセメント・ガソリンといった液体物や、高圧な気体等を運搬します。液体や気体をトラックで運ぶのはとても困難であるため、専用車としてタンクローリーが生まれました。タンク部分は楕円形になっており、重心を下に置くことでバランスが取りやすい構造となっているのです。その形状から事故や転倒のリスクを抑えてくれます。

タンクローリーでは、ガスや燃料などを運搬しているイメージが強いかもしれませんが、小麦粉や飼料などを運搬する場合も多くあります。運ぶ荷物によっては、牽引免許や危険物取扱免許が必要となるので注意してください。

また、タンクローリーは普通免許だけでは運転することができません。タンクローリーの運転はベースとなる車両の、車両区分にあった運転資格を満たす免許区分が求められます。基本的には大型タンクローリーであることが多いため、運転には大型自動車免許が必要です。(タンクローリーのサイズに合った運転免許が必要となるイメージです。)そして、タンクローリー車の種類は大きく分けて3つあります。

危険物タンクローリー

1つ目は『危険物タンクローリー』です。石油や劇薬類を運ぶのに使用されます。タンクの材質は基本的に、耐久性が高く、化学変化が起きにくい「普通鋼」や、強度を上げた「高張力鋼材」になっているのが特徴です。

石油や酸化性個体を扱うため、危険物取扱者の資格である「危険物取扱者」が乗務するとともに、「危険物取扱免状」を携帯する必要があります。運転手が危険物取扱者免状を所持している場合には、運転手1人で乗務することが可能です。

危険物取扱者の資格には甲種・乙種・丙種の3種類があり、それぞれで権限が異なります。【甲種】の資格の場合、すべての危険物を取り扱うことができ、【乙種】の資格の場合は、第1類から第6類の中で取得した類の危険物を取り扱うことができます。【丙種】の資格になると、第4類の中で取得した危険物(ガソリン・軽油・灯油・重油等)を取り扱うことが可能です。

また、硝酸や過酸化水素水などの毒物を運搬する場合は「毒物劇物取扱責任者」の資格が必要となります。

非危険物タンクローリー

2つ目は『非危険物タンクローリー』です。セメントや食品・飲料水等を運搬するのに使用されます。素材としては腐食や傷に強いステンレス製が一般的です。衛生管理やクリーンなイメージが大切な運搬物のタンクには、無塗装で鏡のようなピカピカの外観をしているものが多く見られます。

非危険物タンクローリーに限った必要資格や運転条件は特にありません。

高圧ガスローリー

3つ目は『高圧ガスローリー』です。LPガスや液化窒素などの高圧ガスを運ぶのに使用され、素材には圧力に強い高張力鋼材が使われることが多くあります。高圧ガスローリーでは、高圧ガス移動監視者講習の修了を証明する「高圧ガス移動監視者」が同乗し、移動を監視する際には高圧ガス移動監視者講習修了証を携帯しなければなりません。

以上の3つ以外にも、トレーラータイプのタンクローリーを運転する際には、けん引免許が必要となります。トレーラータイプとは、運転席と荷台が取り外し可能なタンクローリーです。タンクローリーを運転する場合のけん引免許は、大型自動車のけん引免許を取得しておきましょう。

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タンクローリードライバーの仕事の基本的な流れ

タンクローリードライバーの仕事内容は、基本的に普通のトラック運転手の仕事と大きな違いはありません。荷物を積んで、配送先まで運転し、荷降ろしするという流れです。積み込みはホースで行うことが多いので、重たい荷物を運ぶことはありません。また、燃料や食料など、生活に欠かせないもの・需要の高いものを運ぶことが多いので、仕事の安定感は抜群です。

では、具体的にタンクローリードライバーの1日の流れを見ていきましょう。

1,出社

点呼後は、運送する荷物やスケジュールを確認するところからスタート。運行管理者から、注意事項などを共有していただきます。

2,タンクローリーの車両点検と荷積み

車両点検で問題がなければ、タンクローリーに荷物を積み込みます。荷物を積み込む場所は会社からの指示を受け、積み込みの際には、荷物が流出しないよう注意を払って作業することが大切です。

3,目的地に向かい荷降ろし

運搬先に着き、荷降ろし(納品)する場合も細心の注意を払って作業をすることが大切。1日で同じ場所を2往復以上する事もあります。

液体・高圧ガスなどの場合、荷積み(発荷主)は製油所・油槽所等の供給拠点で行うことが多いです。積み込みが終わると、ガソリンスタンド(給油所)・工場・運送会社・航空会社施設等を回って積載物を配送していきます。1回の荷積みで1~3件配送し、1日で2~4回繰り返すことも。

4,帰社

帰社したら、まずは1日の業務報告を行います。輸送内容を運行管理者と確認したら、退社してOKです。

※好きな時間・空いている時間に休憩していただきます。

※積み降ろしのルールは会社によって異なります。

タンクローリードライバーが「きつい」と感じるケース

タンクローリードライバーは「手積みとかなくて楽そう…」そんなイメージを持っている方も多いかと思います。

実際に、タンクローリー車のお仕事は他のトラック運転と異なり、荷積み荷卸しの際に手で持ち上げるのはそれ程重くない給油用ホースです。ホースを使った積み込みなのでフォークリフトの免許は必要ありません。力仕事や肉体的な負担は少なく、荷卸しのための待機時間も比較的少ない傾向にあります。

では、そんなタンクローリードライバーのきついと感じるときはどんなケースがあるのでしょうか?

長時間の運転

運ぶ荷物や所属する企業によっては長時間運転する必要があります。もともと、運転が好きな人にとっては、「精神的なきつさ」は感じないかもしれませんが、同じ体制での運転になるので、「体力的なきつさ」と感じることもあるでしょう。

タンクローリーの主な仕事は、各地にある油槽所からガソリンスタンドや企業に運ぶ地場輸送が基本となるため、長距離を走る仕事はほとんどありません。しかし、地場輸送でも1日300㎞~400㎞走るイメージとなります。

朝が早い

危険物を運搬する場合、午前3時や4時が出勤時間になることが多くなります。危険物は荷物を輸送する前日の夜にあらかじめ積込んでおけないことを理由に、早朝からの輸送になるケースが多いです。早起きしなければいけないことが後々に、結構大変になってきます。

タンクローリーの基本的な条件面

ここで、一旦タンクローリードライバーの基本的な条件を振り返ってみましょう。

給与について

タンクローリー運転手の給料は運搬物の種類によっても変わります。

『非危険物ローリー運転手(正社員)』の平均年収は400万円ほどで、月給は約25万円から40万円ほどとなっています。

『危険物ローリー運転手(正社員)』の平均年収は450万円から500万円ほどで、月給は35万円前後とされていることが多いです。危険物ローリー運転手は「危険物取扱者」の資格が必要になるため、年収が高めになっています。

『高圧ガスローリー運転手(正社員)』の平均年収は400万円から450万円ほど、月給は30万円から35万円ほどです。高圧ガスローリー運転手は「高圧ガス移動監視者」の資格が必須のため、年収が高めになっています。

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休日について

週休2日制の企業が多いと思って良さそうです。日曜日は納品先の企業が休みの可能性が多いため、日曜日は固定休みでプラス何日か休日がある、というのがオーソドックスかもしれません。大型連休(年末年始・GW・夏季休暇)もある会社が多いので、年間休日もそこまで少なくはないでしょう。

残業について

残業は、基本的には発生しますが『毎日激務…。』という会社は少ない傾向にあります。取引先を車で回るわけですから、交通状況なども加味すると、『毎日定時!』という事は難しいかもしれません。ただ、朝が早いので定時の労働時間も早く、残業があったとしても17時~18時までには仕事が終わるというメリットがあります。毎日夕方にはお家に帰れるケースがほとんどです。仕事終わりに遊んだり飲みに行ったりする事もできますし、家族サービスもできちゃいます。

しかし、タンクローリーは道路を輸送する以上、事故・渋滞に巻き込まれる恐れもあり、拘束時間が長くなってしまう場合もあります。また、配送先によっては時間指定が遅くなることもあるでしょう。

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タンクローリードライバーが「きつい」と感じるケースと1日の流れのまとめ

いかがでしたか?タンクローリードライバーへの転職のヒントとなりましたでしょうか。今回はタンクローリードライバーの仕事内容や必要な資格、給与体系について解説しました。仕事選びの参考にしてみてくださいね。

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