「運送業とは?」
「運送業の職種や仕事内容は?」
運送業とは、トラックやトレーラーなどの車両を使って荷物を運ぶ事業のことです。
運送業は、食料品や衣類・家電製品など、さまざまな荷物を全国各地に届けているため、私たちの生活には欠かせない事業といっても過言ではありません。
しかし、運送業といっても、トラックドライバーや倉庫作業員・運行管理者など、仕事内容は多岐にわたります。
本記事では、「運送業とは?」をベースに、運送業と配送業・運輸業の違いについてや具体的な職種と仕事内容などを詳しく解説します。
あわせて、運送業の職種別平均年収や持っていると有利になる資格・免許なども解説するので、運送業界への就職・転職を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
運送業とは?
運送業とは、トラックやトレーラーなどの車両を使って荷物を運ぶ事業のことです。
企業や個人から依頼を受け、私たちの生活に欠かせない食料や衣類・家電製品など、さまざまな荷物を全国各地に届けています。
そのため、運送業は物流の要として、経済活動を支える重要な産業の一つとなっています。
近年では、人手不足や高齢化が問題となっており、注目を集めている業界です。
次項で「運送業と配送業の違い」と「運送業と運輸業の違い」についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
運送業と配送業の違い
運送業と配送業は、どちらも荷物を運ぶ仕事ですが、下記のような違いがあります。
運送業:社外の人から運賃を受け取り、物や人を運ぶ事業配送業:比較的近距離・小口配送・短時間で荷物を運ぶ事業 |
つまり、運送業が大量の荷物を長距離輸送することが多いのに対して、配送業は地域内での小規模な配達を主に行うといった違いがあります。
運送業と運輸業の違い
運送業と運輸業も、似ているようで下記のような違いがあります。
運送業:主にトラックで陸路(道路)を利用して荷物を運ぶことが多い運輸業:トラックに加えて飛行機や船などを使い、長距離の輸送もカバー |
つまり、運送業に比べて、運輸業は配送(輸送)範囲が広いと言えます。
運送業の具体的な職種と仕事内容
運送業の職種には主に下記のようなものがあり、それぞれ仕事内容が異なります。
次項でそれぞれの職種について具体的な仕事内容を解説するので、ぜひ参考にしてください。
トラックドライバー
トラックドライバーの主な仕事は、荷物を積んだトラックを運転し、指定された場所まで安全に配送することです。
具体的な仕事内容は、下記の通りです。
荷物の積み込みと積み降ろし配送ルートの確認と安全かつ効率的な運転車両の日常点検と整備日報や伝票の作成積み下ろし先でのコミュニケーション |
トラックドライバーは、運送業の最前線で活躍する職種ですが、荷物の積み下ろしや長時間の運転により、体力が求められます。
トラックドライバーの職種別の仕事内容について、下記の記事で詳しく解説しているので、興味がある人はぜひ確認してみてください。
中長距離トラックドライバーの仕事内容:https://doramaga.jp/job-of-medium-and-long-distance-transportation/
地場配送トラックドライバーの仕事内容:https://doramaga.jp/job-of-jiba/
建築資材配送トラックドライバーの仕事内容:https://doramaga.jp/job-of-building-materials-delivery/
倉庫作業員
倉庫作業員は、物流の要となる倉庫での作業を担当します。
具体的な仕事内容は、下記の通りです。
荷物の搬入作業在庫管理ピッキング(商品の取り出し)梱包作業フォークリフトの操作倉庫内の整理整頓 |
倉庫作業員には、正確な在庫管理や効率的な作業が求められます。
倉庫作業員のより詳しい仕事内容については、下記の記事で解説しています。
倉庫作業員の仕事内容:https://doramaga.jp/jof-of-warehouse-worker/
運行管理者
運行管理者は、トラックドライバーの安全運転と効率的な配送を支える重要な役割を担っています。
具体的な仕事内容は、下記の通りです。
配車計画の割り出し運転スケジュールの管理ドライバーの労務管理安全運転指導事故対応法令の遵守確認 |
運行管理者は、輸送の安全性を担う重要な存在であるため、責任感と高い倫理観が求められます。
運行管理者のより詳しい仕事内容については、下記の記事で解説しています。
運行管理者の仕事内容:https://doramaga.jp/job-of-operation-management/
運送業の職種別平均年収
運送業における職種別の平均年収は、下記の通りです。
職種 | 平均年収 |
小型トラックドライバー | 約330万円 |
中型トラックドライバー | 約410万円 |
大型トラックドライバー | 約470万円 |
倉庫作業員 | 約370万円 |
運行管理者 | 約360万円 |
運送業は、働く職種や持っている資格により年収が異なりますが、大型トラックドライバーは比較的平均年収が高い傾向です。
個人の能力や勤務先の企業規模などによっては、運行管理者でも400〜600万円ほどの年収を得られる可能性があります。
運送業に就職・転職して高収入を目指す際のポイント
運送業に就職・転職して高収入を目指す際のポイントは、下記の通りです。
運送業は、近年人手不足が深刻化しており、高収入が期待できる魅力的な業界です。
とはいえ、ただ闇雲に転職するだけでは、希望通りの年収を得られるとは限りません。
次項で運送業に就職・転職して高収入を目指す際のポイントについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしていただき、キャリアアップを目指してください。
大型トラックドライバーになる
大型トラックドライバーになると高収入が期待できます。
インディードの調査によると、大型トラックドライバーの平均年収は約470万円となっており、小型・中型トラックドライバーの平均年収を上回ります。
大型トラックを運転するためには上位の免許が必要で、荷物の積み降ろしの量も多いため、給与も高く設定されています。
また、長時間の運転が必要な場面も多く、その分報酬が高い傾向であると言えるでしょう。
大型トレーラードライバーになる
大型トレーラードライバーも高収入が期待できる職種です。
求人ボックスによると、大型トレーラードライバーの平均年収は約446万円とされています。
大型トレーラードライバーは、大型トラックドライバーよりも体力的には負担が少ない職種ですが、より高度な運転技術と経験が求められるため、給料も高めに設定されています。
また、大型トレーラーを運転するためには、大型免許とは別に「大型特殊免許」が必要な点も、高収入を得られやすい要因と言えるでしょう。
管理職を目指す
運送業界で高収入を得るには、管理職を目指すのも有効な手段です。
例えば、運送会社の課長や部長クラスになれば、平均年収は600万円以上になるのが一般的です。
しかし、管理職になるためには、ドライバーとしての経験だけでなく、チームをまとめる力や経営に関する知識も必要です。
管理職を目指したい人は、日頃から社員と円滑なコミュニケーションをとりながら、指導力や経営に関する知識など、マネジメント能力に関わる要素を磨いておくと良いでしょう。
運送業への就職・転職で持っていると有利になる資格や免許
運送業への就職・転職で持っていると有利になる資格や免許は、下記の通りです。
資格や免許は、自身のスキルやキャリアアップの証明になります。
特に、大型自動車免許や運行管理者などの免許は、転職活動を有利に進められるだけでなく、運送業界で高収入を得るためには必須です。
次項でそれぞれの資格や免許について詳しく解説するので、運送業界への就職・転職を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
普通自動車免許
運送業への就職・転職を考える際に、普通自動車免許は基本的に必須です。
軽貨物のドライバー志望の場合は必須であり、中型・大型トラックドライバーへ応募する際も普通自動車免許は取得していることが前提条件の場合が多いです。
そのため、運送業でドライバーをしたいのであれば、普通自動車免許は必ず取得しておきましょう。
中型自動車免許
中型自動車免許は、中型トラック(主に4トントラック)を運転する際に必要です。
中型トラック(4トントラック)とは、車両総重量が7.5トン以上11トン未満のトラックを指します。
中型トラックは、小型トラック(積載量が2トン以下のトラック)よりも圧倒的に求人数が多くなるため、中型自動車免許を持っていると転職活動においての選択肢が増えます。
そのため、より多くのトラックドライバーの求人から選択したい場合は、最低でも中型自動車免許は取得しておくのがおすすめです。
大型自動車免許
大型自動車免許は、大型トラック(主に10トントラック)を運転する際に必要です。
大型トラック(10トントラック)とは、車両総重量11トン以上で最大積載量6.5トン以上のトラックを指します。
大型トラックはより多くの荷物を運べるだけでなく、高い運転技術が求められます。
そのため、大型自動車免許を持っていると、トラックドライバーとしての転職活動が有利になるだけでなく、運送業界で高収入を得られる可能性が高いです。
また、大型トラックドライバーの求人は常に需要があるため、大型自動車免許を取得しておけば「転職先が見つからない」と困ることも少ないでしょう。
フォークリフト運転技能講習修了証
フォークリフト運転技能講習修了証(一般的にはフォークリフト免許とも言われる)は、倉庫作業員として働く際に必須の資格です。
トラックドライバーでも荷物を積み降ろしする際にフォークリフトを使用する機会が多いため、初めは持っていなかったとしても、ほとんどの場合で後から取得します。
そのため、倉庫作業員ではなく、トラックドライバー希望の場合でも、フォークリフト運転技能講習修了証は取得しておいて損はありません。
また、中型・大型免許以外にフォークリフト運転技能講習修了証を取得しておけば、倉庫作業員とトラックドライバーどちらでも選べるので、就職先の選択肢が広がります。
運行管理者
運行管理者として働く場合に必須の資格です。
運送業界では、運行管理者がドライバーの勤務時間や運行スケジュールを管理する役割を担っており、欠かせないポジションです。
例えば、運行管理者の資格を持っていれば、トラックドライバーが体力面や年齢的にキツイと感じたとしても、運行管理者としてキャリアを築けます。
また、運行管理者は、3人に1人しか受からないと言われる国家資格なので、運行管理者の資格を取得しているだけで、運送業界への就職・転職が有利になります。
体力面や年齢的に一生トラックドライバーとして働いていくことに不安を感じる人は、運行管理者の資格を取得して、ドライバーの管理や監督をする側として働くのも良いでしょう。
運送業に関してよくある質問
運送業に関してよくある質問は、下記の通りです。
次項で運送業界において話題の「2024年問題」を中心に解説するので、ぜひ参考にしてください。
運送業の2024年問題とは?
2024年4月から、運送業界における長時間労働の常態化を改善するために、労働時間改正によってドライバーの労働時間が短くなりました。
しかし、労働時間改正によってドライバーの労働時間が短くなるため、従来通りにモノが運べなくなる可能性を懸念しており、このことを2024年問題と言います。
運送業の2024年問題についてもっと詳しく知りたい場合は「運送・物流業界の2024年問題とは?業界の課題と解決策。」という記事を確認してみてください。
運送業は2024年問題によって今後どうなる?
運送業の2024年問題は、立場によって下記のような影響(可能性)が予想されます。
【事業者側】人手不足がさらに深刻化する運賃を上げざるを得ない状況になる【ドライバー側】労働時間は減るものの、今までのように稼げなくなる長距離輸送が難しくなり、仕事を選べなくなる【消費者側】ネットで注文した荷物がすぐに届かなくなる運賃の値上げにより、商品の値段が高くなる |
これらの問題を解決するために、事業者側は適正な運賃を荷主に請求したり、消費者に対して置き配を促進して再配達を減らす取り組みをしたりなどの対策を講じています。
運送業はやめとけと言われる理由は?
運送業は「やめとけ」と言われる理由は、下記の通りです。
事故や交通違反のリスクが高い他の業種と比べて拘束時間が長い体力面の負担が大きい |
とはいえ、2024年問題の労働時間改正もそうですが、近年は労働環境が改善されつつあります。
さらには、人手不足により高収入が期待できる魅力的な業界でもあります。
運送業に興味がある人は、ぜひ積極的に情報収集を行い、自分に合った働き方を見つけてください。
運送業界での就職・転職を成功させるためのポイント
運送業界での就職・転職を成功させるためのポイントは、下記の3つです。
自分に合った職種を見つける必要な資格を取得する運送業の求人が豊富な「ドラピタ」を活用する |
運送業界には、トラックドライバーや倉庫作業員・運行管理者など、さまざまな職種がありますが、仕事内容がそれぞれ異なります。
そのため、自分にあった職種を見つけることが大切です。
例えば「とにかく高収入を得たい」という人は大型トラックドライバーで、「集中力がある人」は正確性が求められる倉庫作業員を目指すと良いでしょう。
目指すべき職種が決まり、必要となる資格・免許を取得すれば、就職・転職活動を有利に進められます。
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上記3つのポイントを参考に、ぜひ自分に合った運送業の仕事を見つけて、キャリアアップを目指しましょう。