トラックドライバーの求人を探しているとよく目にする『ルート配送』。ルートってなに?配送と輸送の違いは?そんな運送業界、ドライバーの仕事が初めての方へ。ルートとは、荷物を届ける際の道・コースがある程度固定になっていることで、いくつかのパターンが会社として決まっており、荷物や車両に合わせてドライバーに割り振られます。『固定ルート配送』ともいわれ、行先や道順が固定なので覚えやすく、トラック運転手未経験の方にピッタリなお仕事です。
ルート配送の仕事内容と想定年収
「ルート配送はドライバー未経験者の登竜門」とよく聞きますが、どんな働き方で、どんなデメリットがあるのでしょうか?
転職するなら月収が気になるところですが、会社によっても様々です。日勤もあれば夜勤もあり、職場の雰囲気も多種多様。免許があれば始められる仕事なので、主婦・主夫の社会復帰にも選ばれやすい仕事ですが、アルバイトには社会保険がなかったり、時間固定とはいえ若干の変動があったりとデメリットになる部分も。まずはルート配送ドライバーがどんな仕事なのか、働き方基本の業務内容などについて説明します。
ルート配送の仕事内容
主にコンビニや日用品の配達をするドライバーがルート配送ドライバーで多く、運転する配送ルートも、扱う商品も固定的なので、給与も固定的なのが特徴。そのため家族持ちドライバーに人気で、プライベートの予定も組みやすい他、帰りの時間がわかりやすいので、家族との食事の時間も取りやすいとご家族の方からも人気です。仕事内容として、契約している企業や施設に定期的に荷物を配送する仕事なので、配送先と配送する荷物が固定されていることが多い。そのため契約先が指定する荷物を倉庫で積み込みしてトラックで運搬しますが、ほぼ毎回同じ積み先・行先が多いです。
ルート配送の想定年収
ルート配送ドライバーの平均年収は360万円程度。雇用形態や勤務先、経験、所有する免許の種類などによって変動する傾向にあり、2tや3tの小型トラックと4tの中型トラックではまた異なります。比較的夜勤のほうが月給が高いですが、集荷があるのか、アルバイトか、近距離か、どれくらいの量を運ぶのかなど条件によっても変動します。ただ、行先も荷物の量も、一度決まってしまえば固定になるので、月によって大幅に給与が変動したり、年収が大きく変動することはなさそうです。
ルート配送業務の特徴
エリアは固定でも毎日行先が違う『宅配便』と違い、エリアも固定で行先も固定。とにかく安定的で安心なのが一番の特徴です。
運送・物流の会社で残業は当たり前、といったイメージもあるかと思います。では、ルート配送ドライバーはどうなのか。毎日固定的とはいえ、会社によっても条件は様々で、コースによって特徴も多種多様。納品の仕方は?取引先とのコミュニケーションは?やりがいは?働き方は?転職の際に気になるメリットとデメリットを説明します。
勤務時間が安定している
毎回、同じ配送先へ荷物を運ぶため仕事のスケジュールが安定しています。そのため運送の仕事の中では残業は少なめ。スケジュール管理がしやすいため、プライベートの予定を立てやすく、自分の時間や家族の時間も確保しやすいのがメリットです。なお、コンビニや飲食店への店舗配送、日用品の配送などは365日24時間稼働の会社が多いため、シフト制が多く、夜勤のシフトも可能性としてはあります。会社によっても様々なのでよく調べてみましょう。
一人で働く時間が長い
ルート配送ドライバーは、上司や同僚と一緒に働く時間が短い傾向にあります。日勤であれば、朝センターなどで荷物を積み込み、各店舗へサクサク配送、休憩後に午後の便をこなして空箱などを返却して終了!一人でトラックに乗車して業務を進めることが多いため、「一人で働きたい」という方にはピッタリ。なお、配送先の企業や施設の荷受け担当者との円滑なコミュニケーションは必要なため、全く人と関わらないわけではありません。挨拶や業務報告などでコミュニケーションの機会があるので、社内のメンバーとの人付き合いもある程度は必要です。
ルーティンワークが多い
毎日、同じ配送先へ同じ道を通って荷物を運ぶため、繰り返しの作業が多いのが特徴。いつもの取引先に挨拶をして、いつもの場所に納品する。いつもの場所で休憩して、帰社して片づけをして終了。そんな繰り返しの作業が苦にならない人、毎日実直に働ける人、毎日同じということに安心を感じる人に向いています。配送ルートもほぼ同じなので、走行する道順や業務内容を覚えやすいメリットがありますが、それ故に時給、日給、月給が上がりづらいのは、自分次第で稼ぎたいという人にはデメリットになるかもしれません。
ルート配送業務の流れ
ルート配送は比較的固定的とはいえ、配送先や走行距離、荷物の量などによって業務の流れが異なります。輸送や集荷、積み下ろしのタイミングなど一般的な業務の流れを紹介します。
【Step1】出社後にアルコール検査を受ける
ルート配送ドライバーに限らず、トラックドライバーは日々のアルコール検査が義務付けられています。飲酒していないか?二日酔いではないか?意図せずアルコール摂取をしていないか?万が一のためのアルコール検知器による検査と、管理者による点呼時に体調の確認が行われ、心身ともに健康か、悩みは無いか?などもチェックして、事故防止をしています。
【Step2】配送する荷物を積み込む
配送センターや物流の倉庫など積み込み先は様々ですが、主に配達先の荷物はすでに倉庫作業員にて仕分けがされており、ドライバーは指示書に従い指定の荷物をトラックに積み込むだけ。また荷物はカゴ台車やオリコン(折り畳みコンテナ)にまとまっているので、積み込みがしやすいのが特徴です。なお、カゴ台車を動かすのにもコツがいったり、積み下ろし方法も独特なので、まずはそこの習得がやりがいに感じるかもしれません。
【Step3】トラックで荷物を運搬する
日用品を企業に配達するのか、食品を店舗に配達するのかなど納品先によっても異なりますが、配送エリアは固定されており、納品先もほぼ固定。配送ルートもほぼ固定なので覚えやすく、慣れればナビを見なくても毎日安心して運転できます。
【Step4】配送先へ荷物を引き渡す
取引先の担当者に挨拶をして、指定された場所に納品します。必要であればコンビニでは陳列作業や、持ち帰りのための集荷作業も行います。集荷は宅急便の仕事に多いですが、「ただ配送するだけじゃつまらない!」という方にはやりがいに感じられるかもしれません。
【Step5】休憩を取る
ある程度納品時間が決まっているので、予定通りに休憩が取りやすいのも特徴です。会社や営業所など職場で休憩してもいいですが、基本的に各々の運転席で休憩をとるドライバーが多いです。
【Step6】帰社後にアルコール検査を受ける
最後に、飲酒運転はしていないか、再度チェックを受けます。その際に次のシフトや業務の報告も同時に行い、サクッと運行管理者と打ち合わせをします。運転で気になったことや、取引先から相談されたことなどは、この時に報告するようになっています。
ルート配送の仕事内容や想定年収、特徴と具体的な業務のまとめ
いかがでしょうか。2tや3t、4tトラックなど車体の大きさによっても給与が変わるので、中型自動車免許やリフト免許があれば、より転職先の候補が広がります。また、運送・物流の会社では社会保険を完備していない会社もあり、主婦・主夫でアルバイト希望の方だと、なお難しくなります。会社に入社する前に、福利厚生や働き方は相談してみてみるのが良いでしょう。