トラック運転手の転職理由で意外と多いのが、仕事内容や給料ではなく『人間関係』。配車係をはじめとした社内での関係や、荷主をはじめとした社外での関係も大切になります。今回は、トラックドライバーとして働く上で、避けては通れない人間関係について、ご紹介します。
トラックドライバーの仕事の人間関係は複雑で面倒?
運送会社や荷主、仕事内容によって異なりますが、トラック運転手は、基本的に人と接する機会の少ない仕事。そのため、顧客対応に苦手意識のある方や、現場や職場での人間関係が原因のトラブルが心配な方、業務内のコミュニケーションを最低限に抑えたい方に、おすすめの職業です。
トラック運転手一人につき、一台の専用トラックを支給している会社が多いのも、人間関係でわずらわしさを感じない理由の一つ。荷物の輸送中や休憩時間を、自分一人だけの空間で快適に過ごせるので、対人関係でストレスを感じることがなく気楽に働けます。
トラックに乗っている時間以外にも、積み降ろしを一人で行うことが多いのも魅力の一つ。荷主からの目線を気にしながら、作業を行っているとストレスが溜まりますよね。荷主側の社員とのコミュニケーションが原因となり、何かしらのトラブルにつながることも少なくありません。対人関係が苦手な方は、求人情報に記載されている、積み降ろしなどの細かい仕事内容にまで気を付けて、仕事探しをしてみましょう。
また運送会社によっては、トラックの設備を自分好みに変えられる場合もあり、トラック好きや車好きな方は、仕事探しをする上での一つのポイントにしてみてもいいかもしれません。
トラックドライバーが人と接するタイミングは?
人と関わる機会が少ないと言っても、コミュニケーションを取ることがゼロの仕事はありません。今回は一般的なトラック運転手が仕事の中で、社内外の人と接する機会について解説していきます。
出勤・退勤時
運転中には一人の時間を過ごせて気楽なトラック運転手でも、出勤時や退勤時の際には、配車係の方をはじめ自分と同じ職場で働く人と接する機会は必ずあります。出発前には、点呼やアルコールチェック。帰社後は、1日の仕事内容の振り返りなど。運送会社の中には、朝礼の時間を設けてトラック運転手一人ひとりと、コミュニケーションを取る機会を設けている会社もあります。
社内での事務作業時
トラック運転手とはいっても、運転だけが仕事ではありません。会社によっては、日報の記入など事務作業を行う場合もあります。1日の振り返り通して、社内で働く運行管理者や配車係の人に、日々の業務の中でストレスに感じることを相談するいい機会です。苦手なコミュニケーションの機会を、気楽にストレスをためずに働くことに繋げることもできますよ。
集荷先・配送先で荷積みや荷下ろしをする時
社内だけでなく、荷主をはじめとするお客さんと接する機会もあります。配送先になる現場の作業員や、同じタイミングでセンターで荷降ろしを行う他社のトラック運転手など、仕事内容にもよりますが、社外の人と関わる機会が多くなることも…。そのため、このような人間関係に苦手意識のある方は、仕事探しの際にどんな人と関わる機会があるのかまで、求人の内容を確認することをおすすめします。
トラックドライバーがつながりを持つ人間関係は?
前述の通り、運転中は一人で気楽な反面で社内外でのコミュニケーションも大切になるのが、トラック運転手。ここでは、具体的にどのような人とつながりを持ち、人間関係を築く必要があるのかを紹介していきます。
社内の事務員との人間関係
トラック運転手の勤務時間や休日などを、管理している事務担当者とは関わる機会が多くなります。その他にも、新しい仕事を見つけてくる営業担当や、勤務形態や給料の管理を行っている総務担当者との人間関係は大切です。求人を見て仕事探しを行う上で、内勤職との関係性を注目するポイントとしてみてもいいかもしれません。
同じ部署やチームの上司、先輩、同僚、後輩、部下との人間関係
仕事を通じて一番関わる機会が多く、大切になると言っても過言ではないのが、部署やチーム内での人間関係です。仕事内容についての相談をしたい時には、上司や先輩に。逆に、運送業界について何も知らない未経験入社の後輩や部下には、運転のコツなどを教えることもあるかもしれません。自分がストレスを感じず気楽に働くためにも、距離の近い同僚との関係性に気を配ることをおすすめします。
集荷先・出荷先との人間関係
社内だけでなく、荷主をはじめとする社外での人間関係も大切になります。輸送先のセンターや倉庫で働いている社員や、毎日積み込みを行う荷主企業の担当者など。社外での人間関係がうまくいっていれば、万が一のトラブルを避けられることもあります。
他社のトラックドライバーとの人間関係
同じタイミングで積み降ろしを行ったり、ちょっとした休憩時間に顔を合わせることになるのが、他社のトラック運転手です。運送業界は、ドライバー同士や運送会社同士など、横のつながりを大切にしているのが特徴。他社の運転手とのコミュニケーションを積極的に行っていると、仕事探しの際にいい運送会社を紹介してくれるなどのメリットもあります。
トラックドライバーの職種による人と接する頻度の違い
ドライバー中でも、人と接する機会の少ない職種と多い職種があります。ここでは、それぞれの職種を紹介するとともに、メリットとデメリットの解説も行います。
人と接する機会が少ない職種
長距離ドライバー
仕事内容のほとんどがトラックの運転になる長距離ドライバーは、人と接する機会の少ない職種です。そのため、運転がとにかく好きな運転手に選ばれています。また集荷先や輸送先で荷主から、荷物の細かいチェックを受ける機会が少なくコミュニケーションも最低限。対人関係でのトラブルも起こりにくいことは、大きなメリットと言えるでしょう。
逆に、長時間の運転や一人の時間に抵抗を感じる運転手には、向いていない職種です。苦手な長距離運転を無理に行うことで、交通事故につながることもあります。働き方が合わない運転手にとっては、デメリットの多い職種です。
人と接する機会が多い職種
ルート配送のドライバー
毎回の運行で同じお客さんに配送を行うルート配送ドライバーは、対人関係が多くなる職種です。毎回同じお客さんと関わることになるため、毎日の挨拶はもちろん、ちょっとした世間話を通じて関係性を深めることも大切になります。自分とお客さんの関係性=会社とお客さんの関係性になるので、ただ荷物を運ぶだけのドライバーでは感じられないやりがいが、働く上でのメリットでもあり魅力です。
反対に、直接お客さんとコミュニケーションを取ることが、苦手な運転手にとってはデメリットの多い職種と言えるでしょう。配送先での人間関係にストレスを感じてしまう方は、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうこともあるでしょう。
宅配ドライバー・引越しドライバー
企業や商店、個人宅が配達先になる宅配ドライバーや引越しドライバーは、人と接する機会の多い職種。対人で荷物を届けることになるため、お客さんとのコミュニケーションは必要不可欠になります。コミュニケーションに自身のある方や、お客さんから直接「ありがとう」の言葉を聞けることにやりがいを感じられる人にとっては、メリットの多い職種です。
逆に、お客さんとの直接的なコミュニケーションに苦手意識のある方や、なるべく一人で気楽に仕事をしたい方にとっては不向きな職種になります。
まとめ
今回は、トラックドライバーという職業における『人間関係』について、ご紹介しました。仕事内容によっては、一人で気楽に働くこともあれば、荷主をはじめとする社外とのコミュニケーションが発生する場合もあります。自分の苦手な分野と向き合いながら、自分にぴったりの運送会社に出会えるように仕事探しをしてみましょう。