ドライバーデビューしたい!どんなトラックがあるかな?~後編~

私たちの生活に欠かせない職業のひとつであるドライバー。前編では、憧れのトラック運転手として働くにはどんな車両があるのか、いくつかご紹介しました。

今回は後編として、トレーラーやタンクローリー、パッカー車など、街中で見かけるけどなかなか聞き馴染みのない車両をご紹介!現役ドライバーの人も、これからトラック運転手にチャレンジしたい人も、ぜひチェックしてみてくださいね。

【1】 倉庫管理には欠かせない!「フォークリフト」

工場や市場、スーパーマーケットで取り扱われる荷物を運ぶ車両の「フォークリフト」。
手作業では積み降ろしが難しい場合に用いられます。作業員は「フォークリフトオペレーター」と呼ばれ、入荷・出荷のための積み降ろし作業を行います。「フォークリフト免許」が必要となるので、倉庫内で荷物の仕分けやピッキングを行う「倉庫作業員」からステップアップしたい方にも人気の職種です。

こんな仕事も・・・

倉庫作業員

年齢や性別を問わず人気の職種なのが「倉庫作業員」。作業は、保管された商品をピックアップする「ピッキング」や、商品を配送先別に分ける「仕分け」など、経験がなくても始めやすい仕事が多いです。倉庫によっては、商品に不備がないか確認する「検品」や「梱包作業」を任せることもありま

【2】 家庭のごみを回収してくれる!「パッカー車」

一般的には「ごみ収集車」として知られているパッカー車。主に家庭や商業施設などの事業所から出るごみを回収する車です。大きさは小型・中型・大型の3種類。小型は地域の家庭ごみ、大型は工場から排出される大量のごみなど、回収する廃棄物に合わせてサイズが異なります。私たちが普段生活する中で見かけるのは小型パッカー車です。パッカー車ドライバーは、行政からの仕事が多いのもメリットのひとつ。決まった時間での運行が可能なほか、残業も少ないので安定して長く働きたい方にオススメですよ。

【3】 「小型トラック」で自販機のドリンクを補充!

トラックの中でも、未経験からスタートしやすいのが「小型トラックドライバー」。2tや3tトラックは小回りが利くので、各会社や商店、コンビニなど小規模の配送には便利です。

こんな仕事も・・・

自販機補充ドライバー

自動販売機に飲料や食品を補充する「自販機補充ドライバー」も、小型の3tトラックで運行することがほとんど。担当エリア内に設置された自動販売機に、飲料や食品を補充します。1日の対応台数は20~30台。自動販売機の売上管理やごみ箱の清掃業務のほか、荷降ろし作業もあります。自動販売機を設置させてもらうための営業を行うこともあるので、力仕事に自信があり幅広い業務で活躍したい方にはピッタリです。

セールスドライバー

荷物の配達や集荷だけでなく、取引先の新規開拓なども行うのが「セールスドライバー」。取引は個人や企業などさまざま。自社で荷物を取り扱ってもらえるような営業活動を行うので、運転スキルだけでなく、コミュニケーション能力の高さも重要です。歩合制の会社も多いので、働くほどに収入もアップしますよ。

【4】 未経験からも人気の職種!「レンタカー回送ドライバー」

レンタカーの回送ドライバーとは、お客さんが乗車していないレンタカーを移動させる運転手のこと。予約のスケジュールに合わせてレンタカーの店舗まで車両を移動したり、修理が必要な場合は整備工場まで運んだり。次に利用するお客さんが快適にドライブできるようにサポートします。基本的には普通自動車を回送するので、普通運転免許さえあれば勤務可能。ドライバー未経験の方もチャレンジしやすいです。

【5】異業種からの転職者も多数!「バン/ワンボックス」

バンやワンボックスカーのドライバーも、比較的チャレンジしやすい職種の一つ。基本的には、担当エリアの個人宅に荷物の配送を行います。トヨタハイエースなどで運行するため、普通運転免許があればスタートOKです。担当エリアは近距離がほとんど!行先のルートが決まっていることも多いです。ドライバーとして地元で働き続けたい方は、バンやワンボックスカードライバーも検討してみてはいかがでしょうか。

【6】現役ドライバーが憧れる!「トレーラー」

海上コンテナやキャリアカーなど、大きな荷物を運ぶ「トレーラー」。トラクターと呼ばれる運転部分に、自走しない荷台「トレーラー」を連結させます。トレーラードライバーは、自走しない車両をけん引するため「けん引免許」が必須。より高度な運転スキルが求められます。現役トラック運転手の中でも、一目置かれる存在です。トレーラードライバーに挑戦して、スキルアップや収入アップを目指すベテラントラック運転手もしばしば。

【7】危険物を取り扱う「タンクローリー」

食品や飲料、セメント、ガソリンといった液体のほか、高圧などの気体を運送する「タンクローリー」。荷台にある円筒状の大きなタンクに、荷物を入れて運びます。ガソリンスタンドで、石油用のタンクローリーを一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。その種類は大きく分けて3つあります。

・危険物タンクローリー:石油や薬品
・非危険物タンクローリー:食品(牛乳、シロップ)や飲料、セメントなど
・高圧ガスローリー:高圧ガス

タンクローリードライバーとして運転する場合、「大型免許」「けん引免許」のみでも運転可能です。しかし、荷物の内容によっては「危険物取扱者」「毒物劇物取扱責任者」などの資格が必要になります。

・危険物取扱者
ガソリンなどの一定の数量以上の危険物をタンクローリーで運ぶ場合に取得。

・毒物劇物取扱責任者
過酸化水素や硝酸など、毒物劇物を取り扱う際の安全確保・危害防止の責任者として必須となります。

危険な荷物を安心・安全に運ぶためには、責任者としての強い心構えと豊富な知識、スキルが一番の肝となるのがタンクローリードライバーです。

【8】クレーンで荷物を積み降ろし!「ユニック車」

荷台にクレーンを付けたトラックを「ユニック車」と呼びます。建築資材など、手作業では持ち運べない荷物をクレーンで積み降ろし。トラックにクレーンが付いているため手積み手降ろしはなく、体力的負担は少なめです。「クレーン車とどう違うの?」と感じる方もいると思われますが、クレーン自体に車輪が付いた車のことをクレーン車と言います。ユニック車を運転するためには、大型や中型の免許以外に小型移動式クレーンを操作する資格が必須です。

・移動式クレーン運転士免許
荷物の重さによって、講習内容が変わります。
吊り上げ荷重:0.5t~1t未満⇒移動式クレーンの運転業務に係る特別教育の受講
       1t~5t未満⇒移動式クレーン運転技能講習
       5t以上は「移動式クレーン運転免許」の取得

・玉掛け技能講習
クレーンのフックに荷物を掛けたり外したりする際に、荷物を安全かつスムーズに行えるように必要となる免許です。

【9】1台でマルチに活躍!「アームロール車」

建築現場などの工事現場で活躍するのが「アームロール車」。建材などの荷物を入れたコンテナを機械操作で脱着できる車両です。トラックにコンテナが装備されているダンプカーとは違って、コンテナごと現場に降ろすことができるため細かな荷物を積み込みやすいです。また、ダンプカーのように「ダンプアップ機能」と呼ばれる荷台を傾けて荷降ろしができるのもポイントの一つ。収集や運搬、排出、コンテナ交換すべてを1台で行える、マルチな車両です。

【10】「バルク車」

「バルク車」は、特殊用途自動車の種類の一つ。これまで紹介してきた車両の中でも特に聞き馴染のない車両ではないでしょうか。主に粉粒体を運搬する際に使用されます。セメントや薬品のほか、砂糖や小麦粉といった食品原料も運搬。空気で荷物を流動化させることによって、長距離運送の際にもスムーズに排出できます。見た目はタンクローリーに似ていますが、タンクローリーは液体、バルク車は粉粒体を運ぶので運送する品目が異なります。

ドライバーを支えるプロフェッショナル!

運送業の花形とも言えるドライバーですが、その車両を整備するスタッフや、ドライバーの運行スケジュールを立てる「配車スタッフ」なども運送業には必要不可欠。日常を支える車両やトラックドライバーとあわせてご紹介します。

【11】配車スタッフ

「配車スタッフ」は、依頼された荷物を各ドライバーに振り分ける業務を行います。ドライバーが目的地に到着するまでの運行スケジュールの作成や無線での指示出しも配車スタッフの大事な役目。配達状況や交通状況の確認、お客さんとの交渉など、ドライバーが荷物を円滑に運べるよう、積極的にコミュニケーションを取ります。運行ルートに長けたドライバー経験者が活躍している場合が多いです。

【12】タイヤサービスカー

「走行中にタイヤがパンク・・・」なんてトラブルのときに、出張でタイヤ交換などを行うのが「タイヤサービスカー」。トラックやバスに不備がないか、現地まで向かい、メンテナンスをします。タイヤチェンジャーと呼ばれるタイヤ交換の機械を車両に装備しているのですぐに取り換え可能。運行途中のため、迅速に対応することが求められます。

こんな仕事も・・・

洗車スタッフ

カーディーラーなどで、展示車両や販売車両、お客さんから預かっている車の内部、外部を洗車。洗車以外にもハンディ掃除機を使用して車内清掃や水拭きも行います。必要な資格はなく、アルバイトでの募集も多いので土日だけ働きたい学生さんもピッタリの職種です。

まとめ

今回の後編では、トレーラーやタンクローリー、パッカー車など、見たことはあるけど耳馴染みのない車両をご紹介しました。「これからドライバーとして活躍していきたい!」「未経験から挑戦できる職種は何だろう?」など、運送業としてイチから働き始めたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!