けん引免許ってどんな免許?取得方法や種類、試験のポイントなどをご紹介!

海上コンテナを運ぶトレーラーや、車両を運ぶキャリアカーなど、運転席と荷台が連結している際に必要となるのが「けん引免許」。「大型ドライバーにも慣れてきたから、ステップアップしてトレーラーに挑戦したい!」そんな方もいますよね。そこで今回は「けん引免許」の種類や取得条件、試験で重要なポイントなどをピックアップします!

『けん引免許』とは?

車両総重量が750kgを超える車をけん引する際に取得するのが『けん引免許』。トラックとは違って自走できない車を運転するので、高いスキルの習得が必要となります。主に「トラクター」と呼ばれる運転席部分と荷物を載せた「トレーラー」を連結してけん引。トラクターとトレーラーの連結を切り離して、お客さんに荷物を届けます。

『けん引免許』の条件や取得方法、費用

取得条件

<年齢>
満18歳以上
<視力>
両眼で0.8以上(1眼で各0.5以上)であること。
<色彩識別能力>
赤・青・黄色の識別ができること。
<深視力>
2.5メートルの距離で3回検査し、その平均誤差が2㎝以下であること。
<聴力>
10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえるものであること。
※補聴器により補われた聴力を含む
<運動能力>
1.自動車等の運転に支障を及ぼす恐れのある四肢又は体幹の障害がないこと。
2.自動車等の運転に支障を及ぼす恐れのある四肢又は体幹の障害があるが、その者の身体の状態に応じた補助手段を講ずることにより自動車等の運転に支障を及ぼす恐れが無いと認められるものであること。

取得方法

主に3つのパターンで取得できます。

独学で運転の練習をして、運転免許試験会場で技能試験を受ける

一発試験となるので、費用を抑えられるのがメリットです。しかし、独学での勉強となるため試験の傾向やコツを掴みづらく何度も受けることになる場合もあります。

自動車学校に通いながら、座学や技能教習を受講して免許を取得する

講師から丁寧にレクチャーを受けることができるので、一発試験と比較して
合格率が高くなります。デメリットとしては、費用が高くなってしまうこと。

教習所の合宿に参加する

免許取得までの期間を決め、その期間内にスケジュールを立てて免許を取得する方法です。費用は高くなりますが、自動車学校に通うよりも比較的短期間で取得できます。

費用

一般的な費用相場は、一発試験の場合、受験料・試験車使用料・免許証交付料を合わせて1回6,550円ほど。教習所での受講や合宿の場合は12万~15万円程度です。合宿の場合は短期間で免許を取得するので、費用を抑えられますよ。時間もお金も有効活用して、けん引免許を取得したい方にはピッタリです。

けん引免許の種類

けん引免許は、以下3種類があります。

・けん引免許
・けん引二種免許
・けん引小型トレーラー限定免許

けん引免許:貨物トレーラーなどで、ハンドルのあるトラクターと連結させて移動させる車両を使う際に必要な免許。

けん引二種免許:旅客運送として使用するけん引車両を運転する際に必須となる免許です。

けん引小型トレーラー限定免許:750kg~2,000kg未満限定で
けん引できる免許のことです。

海上コンテナドライバーやキャリアカーなど、一般的な貨物の場合は、「けん引免許」があれば乗車可能です。

『けん引免許』の試験合格のカギはバック動作!

試験合格には、運転コースを攻略するのが必要不可欠。前進ではトレーラーの車幅を把握して、広い道や狭い道のすれ違いもミラーを見ながら細心の注意を払います。特に試験経験者が難しかったと話すのが「直線バック」や「車庫入れのバック」。トラックと比べて荷台のトレーラーをけん引しているので、ハンドルを切る行為一つひとつが荷台の操作に響きます。

バック動作

直線バックでは、少しずつハンドルを切りながら修正することが重要です。死角となるのがトレーラー右後方・トレーラー左後方・トラクター右前。車両によってはバックアイモニターが付いていることもありますが、一度運転席から降りて目視で確認することが大切。徹底した確認を行うことが、試験合格に近づき、安全運行にもつながります。

とにかく練習あるのみ!

駐車場やコンテナヤードといった障害物の少ない広いスペースで反復練習することが合格の近道です。不安な方は、社内のベテランドライバーに横乗りしてもらったり、コースを確認しながら誘導してもらったり。ハンドル操作や車輪の動きを直接教えてもらい、運転感覚を掴むのもオススメですよ。

どんなトラックを運転するときに必要?

けん引免許で取得できる車には、タンクローリーやダンプトレーラー、キャリアカーなどがあります。高度な運転スキルが必要となるため、中型免許や大型免許のみで乗車できるトラックドライバーに比べて給与も高水準。「将来のためにも収入アップしたいな!」そう考える現役ドライバーさんは、挑戦してみるのも良いかもしれません。

ドライバーの憧れの的!トレーラーに挑戦

運転好きのドライバーの中で目標とされるのが「トレーラードライバー」です。トラック運転手と比べて、手積み手降ろしもなく体力に自信のない方でも長く働き続けられます。中には、中型トラックドライバー⇒大型トラックドライバー⇒トレーラードライバーと、徐々にステップアップをしていく方も。トレーラー運転手を、ドライバー人生の目標の“終着地点”と考えている運転手も多いですよ!

まとめ

今回は『けん引免許』についてご紹介しました。現役の大型トラック運転手さんにとっては、スキルや収入のステップアップのために「いつかは取得したい免許」ではないでしょうか。

トレーラーの求人は「必要免許:大型免許、けん引免許」と掲載されているものが多く、応募のハードルも高いと言えます。求人もさることながら、左折・右折で連結部分がくの字になる際は最高ランクの運転技術が必須です。ドライバーのキャリアを続けるためのモチベーションとして、けん引免許ゲット&トレーラードライバーを大きな目標に掲げてみてはいかがでしょうか!