中型免許で運転できるトラックは?法改正のポイント、免許の取り方

運転していたら毎日1台は見かけるトラック。運ぶ荷物の種類によって、荷台の形状も変化するので、ウィング車や平ボディなど…様々な形状(架装)をしたトラックがあります。今回はそんなトラックの中でも、配送ドライバーの仕事に使われることも多い”中型トラック”についてご紹介!そもそも中型トラックとは、という部分から、運転に必要な免許、免許の取得方法まで。詳しく解説していきます!

中型トラックを運転する前に知っておきたい基礎知識

「中型免許を取るぞ!」「中型トラックドライバーになりたい!」と意気込んでいるアナタ。
まずは免許取得前に基礎知識からおさらいしていきましょう。

中型トラックとは?

そもそも『中型トラック』とはどのような車種のことを指すのか。まずはここから解説していきます!
中型トラックとは一般的に全長12m、全幅2.5m以内、最大積載量6.5t以内、車両総重量5t以上11t未満のトラックを指します。
特に最大積載量が4tほどのものを『4tトラック』と呼び、運送業界でよく利用されています。

また、中型車を運転できる免許証は複数あります!
普通自動車免許(普通免許)でも、取得条件によっては中型車を運転できる可能性あり◎
もしかしたら、今この記事を読んでいるアナタも、中型車を運転できる免許証を所持しているかも!
ただし、免許証によって車両総重量や最大積載量などの条件が異なり、運転できる車両に違いがあるため注意も必要です。
この後詳しく解説していくので、一緒に学んでいきましょう!

中型トラックを運転できる免許の種類

中型車を運転できる免許は主に2種類!

  1. 中型自動車免許(中型免許)
  2. 8t限定中型免許

8t限定中型免許は『8t限定免許』とも呼ばれ、平成19年(2007年)6月1日以前に普通免許を取得した場合に、持っているとみなされる免許証です。ここで言う”8t”は車両総重量を指すので、一般的な4tトラックであれば、運転可能です。

また、準中型自動車免許(準中型免許)や、5t限定準中型免許(※)では中型トラックを運転できないことがあるので注意!
この後詳しく解説しますが、この2つの免許証では車両総重量や最大積載量の関係で、運転できる車両条件に中型トラックが合わない場合が多いです。
(※)平成19年(2007年)6月2日~平成29年(2017年)3月11日までに普通免許を取得した場合、5t限定の準中型免許を持っているとみなされて、『5t限定準中型免許』という免許区分になります。

”○t限定免許”については、同じ普通免許でも”いつ取得したか”という取得条件によって、中型車を運転可能か決まるので、免許証をしっかり確認することが必要です!
車両総重量や最大積載量は車検証に記載されているので、免許証と合わせて車検証もチェックしておきましょう。

免許種類と運転可能な車両条件

免許の取得時期などによる免許区分と、運転可能な車両については以下の表も参考にしてみてくださいね!

免許の種類 免許の取得時期 車両総重量 最大積載量 乗車定員数
中型免許 平成19年(2007年)6月2日以降 11.0t未満

6.5t未満

29人以下
8t限定中型免許 平成19年(2007年)6月1日以前

8.0t未満

5.0t未満 10人以下

準中型免許

平成29年(2017年)3月12日以降 7.5t未満 4.5t未満 10人以下
5t限定準中型免許 平成19年(2007年)6月2日から平成29(2017年)年3月11日の期間 5.0t未満 3.0t未満 10人以下
普通免許 平成29年(2017年)3月12日以降 3.5t未満 2.0t未満 10人以下

各中型免許、準中型免許で運転可能なトラックの違い

とはいえ、総重量・積載量と言われても分かりづらいですよね。どの免許で、どんなトラックが運転できるのかまとめました!

中型免許で運転できる主なトラックの種類

中型免許を所持している場合は、車両総重量11トン未満・最大積載量6.5トン未満・乗車定員29人以下の車両を運転可能です。
主に乗れるのは『中型トラック』『小型トラック』
中型トラックだと、4tトラックが配送によく使われるので、中型トラック=4tトラックとしている会社も多いです。
小型トラックとは、主に最大積載量が2t以下のものを指しており、より積載量が少ない車種なので、中型免許を所持していれば運転できるというわけです。

その他だと『小型特殊自動車』も運転可能!
農耕トラクターや農業用運搬車、小型除雪車などであれば、中型免許で運転できます。
ただし、同じ特殊自動車の中でもブルドーザーやショベルカー、クレーンなどの大型特殊自動車になると”大型特殊自動車免許”が必要になるのでご注意を。
さらに、大型トラック(主に積載量が10tの大型自動車を指す)を運転するには大型自動車免許(大型免許)が必要になります。

また、中型免許の中でも『第二種免許』を取得すると、荷物を運ぶだけではなく、旅客の仕事をすることが可能に!
中型二種免許を取得すると、マイクロバスを運転できるようになり、送迎ドライバーとして活躍することもできますよ◎

準中型免許

準中型免許で主に運転可能なのは、最大積載量が2t以下の『小型トラック』
ただし、車両総重量7.5t未満・最大積載量4.5t未満であれば運転可能なので、サイズによっては中型車を運転できることも!
トラックの規格はメーカーによって異なるため、最大積載量や車両総重量が運転可能な範囲内か確認することが必要です。

8t限定中型免許

8t限定免許だと、最大積載量5t未満のトラックなら運転できるので、小型トラックに加えて、一般的に配送に使われている4tトラック(最大積載量4t前後)の中型トラックも運転可能です!
ただし、こちらもトラックの規格がメーカーごとに異なるため、中には乗れない車種も…
そんな時は『限定解除』の手続きをして、8t限定免許から中型免許に昇格させる手続きも可能!
やり方はこの先で詳しく解説していくので、続きを読み進めてくださいね◎

5t限定準中型免許

5t限定免許だと、車両総重量5トン未満・最大積載量3トン未満の車両のみ運転できるため、基本は小型トラックが運転可能になります。
中型トラックだと、先ほど挙げた4tトラックは積載量がオーバーしてしまい、運転不可能に。
4tトラックに乗りたいのであれば、こちらも限定解除の手続きが必要になります。

中型免許、準中型免許の取得と免許の限定解除の方法

それぞれの免許について理解が深まったところで、いよいよ免許取得の方法についてご紹介していきます!

受験資格の違い

中型免許

中型免許には普通免許と違い、免許取得の際に取得条件があります!
普通車よりも、より大きい車両を運転するため、その分責任が伴うということですね。
免許取得に必要な要件は以下の通りです。

・年齢:20歳以上
・免許:普通自動車免許を取得してから2年以上経過していること
 (免許停止期間がある場合は、その期間を除く)
・視力:
 両眼で0.8以上、片眼で0.5以上の視力があること(眼鏡やコンタクトレンズの使用可)
 赤色・青色・黄色を識別できること
 深視力検査(三桿法の奥行知覚検査器で3回検査)の誤差が平均2㎝以下であること
・聴力:10mの距離で90dbの警告音が聞こえること(補聴器の使用可)
・運動能力:運転に支障を及ぼすおそれのある四肢又は体幹の障害がないこと(補助器具の使用可)

また、この取得条件のうち、年齢・免許の保有期間については、道路交通法改正によって免許制度が一部変更となり、2022年5月13日以降から条件が緩和されました!
【19歳以上/普通免許を取得してから1年以上経過】している場合、特別な教習を受ければ、中型免許を取得することが可能になっています。なお、特別な教習については、公安委員会が指定する自動車教習所での受講が必要とされています。

この取得条件緩和については大型自動車免許についても同様!
トラックドライバー不足問題が深刻化していることを受けて、若者がトラックドライバーを目指しやすいように条件の見直しが行われました。

準中型免許

続いて、準中型免許の取得条件についてもご紹介します!

★年齢:18歳以上
★免許:条件なし
・視力:
 両眼で0.8以上、片眼で0.5以上の視力があること(眼鏡やコンタクトレンズの使用可)
 赤色・青色・黄色を識別できること
 深視力検査(三桿法の奥行知覚検査器で3回検査)の誤差が平均2㎝以下であること
・聴力:10mの距離で90dbの警告音が聞こえること(補聴器の使用可)
・運動能力:運転に支障を及ぼすおそれのある四肢又は体幹の障害がないこと(補助器具の使用可)
取得条件で中型免許と大きく違うのは、年齢と、免許の保有条件。
2022年5月13日から、18歳でも準中型自動車であれば免許の取得が可能になり、他の免許の保有期間も不要となりました。
準中型免許であれば、より若い方でも取得を目指せます!

中型免許・準中型免許の主な取得方法

教習所に通う

それでは、実際の免許取得方法について解説していきます!
一般的なのは、教習所に入校して免許を取得する方法。
メリットとしては、しっかり運転を練習できて、合格率が高くなることが挙げられます。
デメリットとしては、教習料金がかかることや自動車学校に通学する手間がかかること。
教習料金の費用相場は20万~30万円ほどであり、地域によっては近くに中型免許のための講習を実施している自動車学校がないことも…。

料金や通学の手間が気になる方は、合宿に参加して免許証を取得する、合宿免許を利用する方法も!
自動車学校への通学と違い、受講予約を自分でとる手間も省けるのでオススメです◎

教習所に通った場合の、免許取得の流れは以下の通り。
Step1.教習所で学科教習と技能教習を受講し、技能試験を受ける。合格したら、仮免許を取得
Step2.路上講習の後、教習所の卒業検定に合格する
Step3.免許試験場で適性検査に合格することで、中型免許を取得!

一発試験を受ける

その他に、自動車試験場、運転免許センターで一発試験を受けるという取得方法も。
この方法だと、免許取得にかかる料金を安く抑えられるのが1番のメリット。すでに運送業界で働いているなど、実際に中型車の運転ができる環境にいる人には人気の受験方法です。
取得費用の費用相場は以下の通り。

・本免許試験の場合:手数料8,650円(受験料4,100円、試験車使用料2,500円、免許証交付料2,050円)
・仮免許受験の場合:手数料5,500円(試験手数料2,900円、交付手数料1,150円、試験車使用料1,450円)
・取得時講習受講料:22,000円
※都道府県など、地域ごとに異なる場合があります。

デメリットは、技能教習を受けずに一発試験に合格するのはかなり難しいということ。
2tトラックに乗り慣れている人でも、4tトラックとなると運転の難易度は倍増するため、自動車学校に通うことをおすすめします。

一発試験を受けた場合の、免許取得の流れは以下の通り。
Step1.適性試験・学科試験に合格し、仮免許を取得
Step2.路上練習を行った後、適性試験・学科試験に合格したら、技能試験を予約
Step3.技能試験を受験し、合格したら取得時講習の予約をして、中型免許取得!

限定解除の方法

平成19年(2007)6月1日以前に普通免許を取った『8t限定中型免許』を持っている方、
平成19年(2007)6月2日~平成29年(2017)3月11日までに普通免許を取った『5t限定準中型免許』を持っている方は、限定解除の手続きをすることで、それぞれ通常の中型免許、準中型免許として使用することが可能です!

限定解除も免許取得時と同じく、教習所と一発試験の2通りの方法があるので、参考にしてみてくださいね!

教習所

自動車学校で技能教習を受けて、技能審査に合格した後に、免許試験場で適性試験と変更手続きを行う方法。
8t限定免許の限定解除の場合は、技能教習のみなので、講習時間も短く、技能時間が5時限(中型AT限定の場合は9時限)、合宿の場合は3泊4日!通学する場合でも1週間ほどで合格できます。
教習所での技能審査に合格すると「技能審査合格証明書」が発行され、この証明書を免許試験場に提出すれば、平日の場合即日で中型免許証に書き換えてもらえます。

一発試験

一発試験の場合は、免許試験場で直接試験を受けることになります。
予約制なので、まずは窓口にて限定解除申請の手続きから。
免許取得の場合と同じく、一発試験の合格率は2~3割とかなり低め。
取得費用は抑えられますが、不合格だった場合、受験の度に費用を支払わなければならないので、不安な方は限定解除の場合でも、教習所に通った方が安心です。

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いかがでしたか?

今回の記事では、中型免許で運転できるトラックや、中型免許の取得方法などについて解説してきました!
「今よりも幅広い仕事をしてみたい」そんな配送ドライバーさんであれば、まず中型免許を取得して、自分のできることを増やしてみるのもいいかもしれません。仕事の幅が増えれば、もちろんその分お給料アップにもつながります!
中型免許取得には費用が掛かりますが、会社によっては資格支援制度で免許取得にかかる料金を負担してくれるところもあるので、福利厚生をチェックしてみてくださいね。
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